司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

政府の法曹養成制度検討会議の「中間的取りまとめ」が公表され、2013年5月13日を締め切りとするパブリック・コメントの募集も開始されました。同取りまとめは、事件数の伸び悩みや弁護士の就職難などの状況を踏まえ、これまでの司法試験合格者を年間3000人とする目標を「現実性を欠く」として撤廃、当面それに代わる数値目標を掲げないとする一方、法科大学院を中核とする「プロセス」としての法曹養成を堅持することや、法曹志願者減の原因が法科大学院修了者の司法試験合格率の低さ、弁護士の就職難、金銭的負担にあることなどを確認。「貸与制」堅持を前提とした司法修習生への経済的支援、法科大学院の定員削減と統廃合促進の必要性を挙げています。同取りまとめの内容は、2001年の司法制度改革審議会最終意見書以来の、法曹人口増員政策の大きな旗印となってきた「3000人」目標の撤廃という点では、「改革」路線の大きな転換、あるいは失敗の象徴という見方ができる一方、既に非現実的になっていた同目標を撤回し、現状の合格2000人体制が維持されても、前記弁護士をめぐる経済環境は変わらないこと、法科大学院中心主義が堅持されている以上、志望者減の根本的な解決策にならないこと、教育の質向上を掲げながら具体策に乏しいこと、さらには具体的数値目標を掲げていないことの是非などで、疑問や不十分さを指摘する声もあります。あなたは、この「中間的取りまとめ」の内容をどう評価されますか。法曹人口、法科大学院、司法試験、司法修習の各論、どの点でも結構ですので、あなたのご意見をお聞かせ下さい。また、欠落していると思う論点や、今後の議論のあり方、あるいは方向・具体策について、お考えがあれば、それも受け付けます。法曹関係者、研究者、市民の方のご意見を広く求めます。(最大800字以内、匿名可。所属・職業〈弁護士・司法書士は所属会〉の記載を希望します)

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  • 私がパブ・コメで提出した意見のはじめの部分は次の通りです。

    ①「はじめに」について
    ②意見内容
     「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」の「はじめに」には、「司法制度改革は,国民に身近で頼りがいのある司法の実現を目指した。」とあります。しかしながら、「司法制度改革」は、「国民に身近で頼りがいのある司法」を目指してなんかいません。従って、法曹養成制度を本当に見直すためには、司法制度改革審議会意見書を根本的に見直す必要があります。

    ③理由
     (1) 「司法制度改革」の本質を問うことについて
        まず、1999年(平成11年)に司法制度改革審議会設置法が成立し、「司法制度改革」が推進されてきました。その本質を問うことは、神学論争として避けようとする意見がありますが、病気の原因を探求せずに対症療法だけに頼っていては、病気の進行を止めることはできず、生命に関わることになります。
     司法制度改革審議会(司法審)の設置は、その前の「行政改革会議」の最終報告(1997年12月)に基づいています。そこには、規制撤廃・緩和に対応するために、「政府においても、司法の人的及び制度的基盤の整備に向けての本格的検討を早急に開始する必要がある。」と書かれていました。
     つまり、司法制度改革は、規制撤廃・緩和を推進する構造改革(新自由主義構造改革)政策の一環です。「自由かつ公正」、「統治客体意識から統治主体意識へ」という用語も行政改革会議から引き継いでいます。
     従って、司法制度改革の主眼は、日本の企業がグローバリゼーションに対応し、国際経済戦争に勝つための、規制撤廃・緩和の推進、司法をも含む国家総動員体制体制の構築に置かれていました。それだけでは、マスコミや国民にアピールしないので、一見もっともな大義名分が掲げられたのは、大東亜戦争と似ています。


    2013年5月4日 4:40 PM | 吉田孝夫(宮崎県弁護士会)

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