司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 2015年2月20日に神奈川県川崎市で発生した中学1年生の殺害事件を契機に、少年事件被疑者の実名報道の是非が議論されはじめています。「週刊新潮」は3月5日発売号で、この事件の被疑者少年(18)の実名と顔写真を掲載。これに対して、日本弁護士連合会は同日、「少年の犯行について氏名、年齢等、本人と推知することができるような記事又は写真の報道を禁止した少年法61条に反する」と抗議する会長声明を発表しています。一方、自民党の稲田朋美政調会長は2月27日、「少年事件が非常に凶悪化しており、犯罪を予防する観点から、少年法が今の在り方でいいのか課題になる」と述べ、現行の少年法が定めている対象年齢20歳からの引き下げや、加害少年の氏名を報道することを禁じる規制の見直しの可能性を示唆したことも報じられています。しかし、少年事件に対する、社会のなかの「体感」的な凶悪化があるなかで、実は少年犯罪は増加も凶悪化もしていない、という専門家の指摘もあります。あなたはこの問題をどうお考えですか。少年事件被疑者の実名報道は許されるべきだと思いますか。少年法のあり方を含めてご意見をお聞かせ下さい(800字以内、匿名可)
 参考:「少年の実名等報道を受けての会長声明」(日本弁護士連合会)
   「少年事件が凶悪化している」というのは本当か? 自民・稲田政調会長『発言』を検証」 (弁護士ドットコムNEWS)
   「〈川崎・中1殺害事件〉 それでも少年法が必要な理由とは? 弁護士・松原拓郎」(THE PAGE)

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コメント一覧
  • 少年事件の動向については諸説あるところですが、現状、少年事件厳罰化の声が大きいように見受けられることには、二つの理由があると思います。

    1 少年事件の報道は、よく売れる。

    2 情報が国民にいきわたるようになったことで、正常な反応が返るようになった(今までの報道規制が逆に不自然であった)。

    私の考えは次の通りです。

    A 被害者こそ、匿名報道されるべきである。
      被害者とその家族の平穏は、守られるべきである。

    B 加害者については、実名報道もやむを得ない。
      少年事件などでは、家庭環境に問題のあるケースも多く、誤解を恐れずにはっきり言えば「親の方がよほど悪い」ということも多い。しかしこれは法律では処罰できない。それを踏まえた上での世間の親族へのバッシングであると思う。


    2015年4月5日 8:19 AM | すて猫

  • 犯罪白書によると,少年犯罪の件数は近年減少が続いていますが,少年の再非行率は上昇しており,少子化の影響も考え合わせると,少年犯罪の動向についてはどちらとも言い難い面があります。
    ただ,現行の少年法は新聞紙その他の出版物による報道のみを禁止しているところ,現在は報道機関が匿名にしても誰かが実名を調べ上げてネット上で晒されてしまう時代ですから,現行の規制が少年の保護更生という観点では何の役にも立っていないという現実は素直に受け止める必要があります。
    実名報道を積極的に支持するわけではありませんが,いまさら少年法に罰則を設けて一般人によるネット上の実名晒しを規制するのも非現実的ですから,結局は実名報道容認という方向性にならざるを得ないのではないですか。


    2015年4月2日 9:14 PM | 黒猫

  • 一市民さんのご意見は、現在の報道の在り方の
    問題を鋭く指摘していますね。
    ただ、その問題は、一般の成人の犯罪でも同様に
    起こっている問題であり、少年事件の問題だけではない
    ですね。


    2015年3月24日 9:54 PM | beteran

  • これは少年事件に限らないのかもしれませんが、親もさることながら、加害少年の未成年の兄弟まで、その地で暮らせなくなるような報道のあり方でいいのですかね。あまりこの問題を指摘する声を耳にしない印象がありますが。加害少年の氏名を公開せよ、という意見も、気持ちとしては理解するのですが、何も悪くないその未成年の兄弟の、保護育成まで犠牲にするのはどうなのか、という気もします。


    2015年3月21日 12:30 PM | 一市民

  • 凶悪な犯罪を犯した少年が更正したケースと
    同様の凶悪事件を再び犯したケースでは、どちらが
    多いのでしょうかね。
    善良な一般市民を凶悪犯罪者から守ることが
    もっと意識されていいのではないかと思います。


    2015年3月14日 7:44 PM | beteran

  • 周囲からは実名でいい、そうした犯罪に手を染める少年は所詮、少年法をなめている、といった声しか聞こえてきません。私も、感情的にはそれを理解するのですが、こうしたムードのなかで、更生という視点がどんどん消えていく社会にもなにか恐ろしいものを感じます。特に、体感的なものと違って、実は少年事件が凶悪化も増加もしていないというのならば、なおさらです。マスコミの取り上げ方の影響も多分にあるのではないか、と思います。ここは、慎重さも必要な気がします。


    2015年3月14日 8:09 AM | 匿名

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