司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

日弁連が7月13日付けで「法科大学院制度の改善に関する具体的提言」を発表しました。提言は法科大学院の乱立による司法試験合格率の低迷、教育の質の格差拡大の懸念、さらに法曹人口の急増による弁護士の就職難もあっての入学志願者の急激な減少という危機的な状況を踏まえ、統廃合、定員・入学者の大幅削減に向けたさまざまな基準設定、夜間法科大学院への特例措置、日弁連による実務家教員推薦などの支援、教育充実への年間履修単位数緩和、経済的負担軽減へ学費低額化を図るための国の財政支援増、給付制奨学金制度の創設、司法試験試験科目の削減、出題範囲の限定――などを盛り込んでいます。ただ、こうした日弁連の方向には、本質的な問題解決につながらない法科大学院本道主義の「延命策」との見方も会内には強く、修了の受験条件化撤廃など抜本的な改革を求める声があり、既に愛知県弁護士会は、前記受験資格化撤廃を日弁連として提言すべきとする意見書を発表していました。あなたは、この意見書をどのようにご覧になりますか。日弁連として、今、提言すべき内容と思いますか。また、今、提言すべき内容はどのようなものであるべきと考えますか。弁護士はじめ法曹関係者、法科大学院関係者、法科大学院生、法曹志望者などからのご意見を広く求めます。(最大800字以内、匿名可。所属・職業〈弁護士は所属会〉の記載を希望します)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

コメント一覧
  • 法科大学院制度は廃止しかない
    吉田孝夫(宮崎県弁護士会)
    某弁護士会と某地裁と某地検とで毎年、一審協議会が開催されています。昨年の協議会では地裁から次のような出題があったそうです。

    【弁護士会に対するもの】
     争点整理手続の適正迅速な遂行を実現すべく,①訴状,準備書面(答弁書を含む。)の記載内容の更なる充実を図るとともに,②準備書面の提出期限の遵守について更なる徹底を図っていただきたい。また,これらとの関係で若手弁護士に対する指導育成に関して,弁護士会における取組み等についてお伺いしたい。

    (出題理由)
    近時,法曹人口の増加に伴い,弁護士数が増加している。特に,現行の法曹養成制度の下,修習期間の短縮等に伴って,新人弁護士に対しては,今まで以上に弁護士登録後,先輩弁護士等からの事件等を通じた適切な指導(OJT)を中心にスキルアップを図る必要があると考えられ,裁判所としても,個々の事件処理を通じて新人弁護士の訴訟活動等について支援,指導する必要があると考えている。
    この点,新人弁護士あるいは登録5年未満の若手弁護士が作成する訴状,答弁書の中には,誤字脱字違算等の形式ミスが散見されるものや,請求の趣旨と理由が食い違っているもの,書証の証拠が適切に引用されていないものなど形式的にも実質的にも適切さを欠いていると思われるものも少なからず存在する。

    現行の法曹養成制度が全然うまく行っていないことが明らかです。当然、弁護士だけの問題ではなく、現行の制度によって裁判官や検察官になった人も同様の問題があるはずで、日本の司法が崩壊に向かっているということを国民が知るべきです。


    2013年2月7日 11:58 AM | 吉田孝夫(宮崎県弁護士会)

  • 司令部を砲撃せよ
    地場
    現在、法曹養成フォーラムの後継組織である法曹養成制度検討会議において、いよいよ問題の本丸である法科大学院や法曹人口をどうするのか議論がなされている。

    会議に追加された委員は司法制度改革の諸施策に批判的なメンバーが多く含まれており、活発な議論がなされていると仄聞する。そうした中、改革後に生じた多くの問題を身に染みて理解し、一番影響を受ける弁護士会が先頭に立って法曹養成制度の立て直しに動くのが本来の姿であろう。

    ところが、法曹三者はじめ関係者の中で、法科大学院という諸問題の根源の見直しに最も後ろ向きであるのは、法科大学院の代表者ではなく、「地域の適正配置」にこだわる現執行部という有様である。これでは法曹養成制度の立て直しは不可能だ。このままでは、司法制度改革路線を後生大事に護持したあげくに、志望者の自然減による合格者減、すなわち質量ともに低下縮小した法曹界(特に弁護士)の出現という、司法制度改革の目指したものと間逆な世界が待つばかりである。

    諸先生方によるブログ等をみる限り、このままではまずいという危機感は共有されており、法曹養成制度検討会議の各委員の議論をネットで取り上げて揶揄されているのをよくみかけるが、こうした行為自体に何の生産性もない。法科大学院や法曹人口政策の抜本的な見直しに向けて必要なのは、当事者意識をもって、自分が属しているはずの日弁連の現執行部の政策を立ち上がって批判し、変更させ、それが無理なら会員の過半が執行部の方針に賛同していないことを世間に示すことである。法曹養成制度の見直し問題は給費制本部などに巣くうサヨクの運動家たちの独占物ではない、みんなの問題なのだ。絶望している暇はない。


    2012年11月2日 12:03 PM | 地場

  • 法科大学院の在り方を考える時期
    ヤッピー
    個人的には、合格率上位20位未満の法科大学院は一律に解散させるべきだと思います。

    合格可能性が低い人に、国費で学習させる意義はどこにあるのでしょうか。
    法律教育を受けた人間を社会に輩出するのであれば、有名大学の法学部で十分です。
    この無駄金を、被災地の復興に使った方が、国家のためになるのではないでしょうか。

    他にも、能力の低いことが明々白々な学生を、合格できると思いこませ、
    数百万を取り、若い時期の数年を無駄にさせるということも問題があります。
    しかも、定員割れで大学院自体も赤字続きになっている。
    じゃあ、誰が得しているのか。というと、誰も得していない。
    思い切って肩を押してやるべき時期が来ていると思います。
    とはいえ、そうしなくても、予備試験の合格者数を増やし続ければ、
    法科大学院に行く意義自体がなくなり、あと数年で瓦解するとは思いますが。

    あと、この問題は、弁護士の地方偏在云々で反論する人がいます。
    これについては、地方修習にする人間を増やせば、現地就職する人も増えるわけで、
    学生の学習機会はともかく、法律サービスを地方に行き渡らせることは十分にできるのです。
    貸与制のもと、東京に出てきて就職活動するのが困難になっているのを利用するわけですが。


    2012年10月23日 7:06 PM | ヤッピー

  • 一般人にはどことなくずれているように感じられる。
    jyamira1
    「法科大学院制度の改善に関する具体的提言」を含め議論の中でどうもわからないことがある。それは「弁護士が喰えなくなるから数を絞る」ということだ。自分にはどうも腑に落ちない。

    「よい弁護士が少ない?」ということと弁護士の数が少ないことは表裏一体の関係にあるように思えるのは私の気のせいだろうか?

    たくさんお金と時間をかけて弁護士の資格を取ったのだから儲からなくてはこまるというのはどこかおかしいように思える。また、ずいぶん立派なことをいって作った制度であるのに判事になるという人が増えないのはなぜなのだろう?

    私には「競争と淘汰」がないからのように思える。勉強してお金と時間を使い、さらに設備にも大枚をはたくのに、少なくとも都市部では人あまりという職業がある。歯科医だ。

    少し考えてみると、そのような状況になったからといって歯学部を受験する人は減ったのかというとそのようには見えない。今の状況でも流行っている歯科医院は儲かるからなのだろう。しかも、予約診療で待たなくてもよい、夜間や休日の診療もある、昔は歯医者の数が少なかった田舎の町にも十分な歯科診療施設があるようになった。

    どだい、資格というものは他にもたくさんあるし、仕事を営むために大金をかけて設備をしなくてはいけない仕事もたくさんある。みな競争して勝ち残らなくてはいけないのだ。弁護士だけ特別扱いをする必要性がいまひとつわからない。

    いっそのこと、なり手が少なくてこまっているのだから、司法試験合格者のうち毎年一定の人数は判事に強制的に20年ならなくてはいけないとか、判事の枠の
    合格者というのを作って20年などやってみたらよい。

    かなり乱暴な話ではあるが、以外に間違った感覚でもないような気がする…。


    2012年9月24日 8:14 PM | jyamira1

  • 司法試験制度は簡単に
    匿名希望(会社経営)
    旧試験のような試験制度に戻して ただ合格者だけは大幅に増やし、合格したあとからロースクールで昔の司法修習よりもみっちり教え込む、しかも本人の経済的負担で、というのがベストではないでしょうか。なぜなら 法律学は本来的に権威主義的ですので、むしろ権威主義的でな性格の多様な人材が実社会に出て実務の中でもまなければ他の分野の人とまともに話ができる法曹は育たないと思われるところ、合格者数が少ないと権威主義的性格の人しか合格しないことになりがちだからです。合格者数は2000~2500人を維持すべきでしょう。金と時間のかかるロースクールは合格したあとで通ってもよいことにすればよいでしょう。回数制限はやめるべきです。いい大人へのパターナリスティックないらぬ御世話であり、そのうえ「三振」した人の自殺を誘発します。


    2012年9月24日 12:16 PM | 匿名希望(会社経営)

  • 既に自壊している
    匿名弁護士(東京)
    脳死状態にあるのに延命措置を施したのみ。
    もう後は自壊を待つのみ。
    大騒ぎした法曹養成制度改革…
    その後には司法の荒廃だけが残りましたとさ。

    学者連中は二度と実務に影響を与えようとか思い上がらず,
    淡々と判例の整理だけやっていてくださればよろしい。


    2012年9月11日 11:45 AM | 匿名弁護士(東京)

  • 三振は司法官僚の年功序列のため
    匿名
    丙案も三振も、維持したい人がいる。
    ・・・年功序列を維持したい裁判官と検察官。
    法務官僚に限らず、公務員は年功序列を改善する気はない。

    多様な人材登用、なんてお題目。
    他分野で実績のある能力者など、
    彼らの序列を壊し、実力主義や競争原理を持ち込むものは排除するだろう。

    三振反対は弁護士だけ。


    2012年8月13日 1:38 AM | 匿名

  • 受験資格制限の撤廃を
    匿名(大学院生)
    破綻したことが明白な法科大学院の改善策を今さら提言したところで制度の延命措置
    にすぎない。経済的負担の軽減というのなら司法試験の受験資格撤廃こそが最大の経
    済的負担の軽減ではないか。受験回数制限の緩和についても受験資格を撤廃すれば一
    挙に解決するではないか。
    経済的時間的余裕があり法科大学院に進学することができた者が受験資格を奪う受験
    回数制限に合理性がないと声高に叫んでいるが、経済的時間的余裕のない者に対して
    そもそも受験資格を与えない制度自体が重大な問題を孕んでいる。


    2012年7月29日 4:22 PM | 匿名(大学院生)

  • 理事会ですら百花繚乱なのに
    ろぼっと軽ジK(福岡県弁護士会)
    LSを司法試験の受験資格とする現行の制度を守ってほしい人の数と、LSは廃止せずとも受験資格から除外してもよく予備試験(旧来の司法試験と同じ)のバイパスを拡大すべきと考える人の数とを比べたら、どんな感じになるんでしょう?
     日弁連理事会でも意見が分かれているのに一枚岩であるかのように提言する厚かましさが弁護士自治ならば、その意義は病理的に疲弊しているといわざるをえません。


    2012年7月19日 11:36 AM | ろぼっと軽ジK(福岡県弁護士会)

  • 受験回数制限の撤廃を
    玉木 宏和(中央大学法科大学院修了生)
    日弁連の具体的提言は、司法試験の受験回数制限を5年5回に緩和すべきとあります。

    しかし、そもそも受験回数を制限するのは合理性がないと思います。
    多大な時間的・経済的コストをかけて法科大学院を卒業したのに、受験回数の制限によって受験資格を喪失してしまうのではたまったものではありません。
    また、3回試験を受けて合格できない者に対してはあきらめて他の道に進んでもらうべきとの意見もあります。しかし、法曹への道をあきらめるかどうかは受験生本人が選択すべきことであって、国が決めるのは大きなお世話でしかありません。


    2012年7月16日 12:03 AM | 玉木 宏和(中央大学法科大学院修了生)

トラックバック一覧
トラックバックURL

New Topics

投稿数1,195 コメント数410
▼弁護士観察日記 更新中▼

法曹界ウォッチャーがつづる弁護士との付き合い方から、その生態、弁護士・会の裏話


ページ上部に