法科大学院を経由しない、いわゆる「予備試験」ルートについて、法科大学院を本道とする見方から、これを狭める考え方がとられています。日弁連も基本的にそうした考えを示してきました。法科大学院が利用されなくなるという懸念もありますが、一方で受験機会の保障や幅広い人材確保から、このルートを拡大すべきという意見があります。あなたは「予備試験」の門を狭めることに賛成ですか、反対です。賛否を明確にしたうえで、その理由と日弁連の姿勢などを含め、この問題に対する意見を自由にお書き下さい。(最大800字以内、実名を希望しますが匿名可。所属・職業〈弁護士・司法書士は所属会〉明記を希望します)
予備試験の門戸を狭めることは憲法違反です。
坂本隆志(東京弁護士会)
そもそも,司法試験の予備試験は,司法試験の受験資格があるか否かを判定するためのものであり,一般的な法科大学院修了者と同レベルの知識や能力があるか否かを判定するための試験です。このような制度の趣旨に照らせば,予備試験合格者と法科大学院修了者の新司法試験合格率は概ね同程度となるように合格水準を設定すべきであり,そのような制度趣旨を超えて,法科大学院保護のために予備試験の門戸を不当に狭めることは,職業選択の自由に対する不当な制約であり,法の下の平等にも反するというべきです。
なお,法科大学院中心主義を打ち出した司法制度改革審議会意見書では,予備試験は法曹となるに相応しい一定の資質を備えた人に限り受験資格を認めるものとされていましたが,実際の法律ではこのような案は採用されず,予備試験は誰でも受験できるものとされたわけですから,この時点で法科大学院中心主義は国の政策としては採用されなかったとみるべきであり,法科大学院の都合を考えて予備試験の在り方を考えるのはこの意味でも明らかに不相当です。
2012年1月17日 11:13 PM | 坂本隆志(東京弁護士会)
難しいですね。
清高
法科大学院を作ったのであれば、狭めるのは有力な選択肢です。これは聞いた話ですが、アメリカで法曹資格を得るには、ロースクールに絶対に行かなければいけないわけではありません。本題に戻ると、「幅広い人材確保」の観点からは、狭めるのは問題だと思います。狭めなくても、人から直接に教わるのが大概いいはずですので(だから通学がメインストリーム)、法科大学院が本道であるというのは変わらないと思います。もっとも、法科大学院が制度の趣旨通りに発展しているとは思いませんが、別の話です。
2011年12月19日 9:06 PM | 清高
反対です。
特命
今の法科大学院制度では経済的時間的負担がかかりすぎる。予備試験をの門を拡大、というより、司法試験の受験資格から法科大学院卒業という要件を外すのが手っ取り早いと思う。一発勝負がいけないというのなら受験資格を撤廃して(5年で3回などというわけのわからない制限ももちろん)、司法試験を年2回実施するなどすればよいと思う。法科大学院に多額の補助金を支出し、改善要求している暇があるなら、年2回実施することの手間や費用は微々たるものなはず。
2011年11月19日 1:45 PM | 特命
反対-法科大学院こそ「参入障壁」そのもの
匿名弁護士(東京)
「競争」や「幅広い人材の登用」を標榜する法科大学院のお歴々が,
なぜ,法科大学院などという「参入障壁」の維持に汲々として,
門戸を狭めるのでしょうか。
本末転倒も甚だしい。
2011年7月4日 2:38 PM | 匿名弁護士(東京)
賛成するはずがない、が声が届かない
ろぼっと軽ジK
私は一発勝負の旧司法試験で弁護士になりました。ちなみに法学部出身ではありません。
私の実家は、大学の学費も半額免除してもらうレベルの収入でして、生活費は家庭教師のアルバイトをしながら工面していました。予備校の授業も全科目ではなくどうしても弱い科目だけ受けていました。大学卒業して専念の受験浪人だったときも同様に家庭教師のアルバイトを続けていました。親がかりで受験に専念できてアルバイトをしなくて済む人がうらやましかったです。
そんな私もそのころは弁護士になれました、が今の制度で必要な法科大学院の学費など払えっこありません。つまり経済的に弁護士を職業として選ぶ余地は皆無でした。やってみて苦労することもあるけど苦労ばかりでもない素敵な仕事だとは実感していますが、私は予備試験の門戸を狭めることは自分の通過してきた経路に照らしても大反対です。
日弁連でLS擁護派はよほど世襲を定着させたいのでしょう。自分が苦労して通過した道よりは今の制度の方がよほど合格率も高いのですから。
2011年6月3日 9:14 AM | ろぼっと軽ジK
反対です。
弁護士 向原栄大朗
予備試験は、もともと、門戸を広げるための制度です。
狭める理由がどこにもありません。
日弁連は提言で「法科大学院中心の法曹養成制度の趣旨に反しないよう」といいますが、法科大学院中心の法曹養成制度自体に理由がありません。
2011年5月8日 2:39 PM | 弁護士 向原栄大朗