司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 弁護士事務所のホームページを作成していると、必ず相談されるのがSEO対策についてです。SEO対策とはSearch Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略称で、YAHOOGOOGLEといった検索エンジンにて特定キーワードでホームページを上位表示させる対策を指します。ホームページ集客を考えた時に、基本的なことですが、検索エンジンを利用するのは最も集客成功率が高い手法と言えます。

 

 例えば、相続問題で悩んでいる方が誰かに相談に乗ってもらいたい時、YAHOOGOOGLEにて「相続相談」といったキーワードで弁護士・司法書士・行政書士を検索するのが一般的ではないでしょうか。検索エンジンはネット上の「探したいものを探せるツール」であるため、ネット時代の市民には、いまや最も簡単な弁護士探しの導入口になるということを、まず確認しておく必要があります。

 

 検索エンジンは、いまや一昔前のタウンページと同じ役割を果たしているしいうるでしょう。

 

 では、検索エンジンを利用してすれば、必ず人は集まるのかといえば、もちろんそうではありません。一般ユーザーは「相続相談」と検索したときに、無数にあるホームページをどのように見ていくのかといえば、当然、それは検索順位の上位にあるホームページから見ていく。市民がいくら悩んでいるからといって、ヒットしたすべての弁護士事務所ホームページを見ることはなく、上位に表示されている順番に見て、その早い順に決めてしまう。あるいは、どこまで根気よく追いかけるかも、個人によって差があります。

 

 弁護士として、スキルや能力のアピールにこだわるのは当然ですが、ここは、単純に上位に表示されているかどうかで現実的に大きく成果が決まってしまう世界。基本的なことですが、そのことがはじめなかなか理解されないところであるようにも思えます。いくら良いホームページを作って、そこで的確に自らの能力やメリットをアピールしても、誰にも見てもらえなければ存在価値はない。それがこの世界なのです。

 

 弁護士の方のご相談を受けていると、「ホームページを作れば問い合わせがくる」と、意外など安易に考えている声に出会うのもまた事実です。特に、独立される方に多いのですが、勤務していた弁護士事務所が集客にうまくいっていればいるほど、ホームページを開設すれば集客できると思ってしまう方がいます。その勤務していた事務所のホームページを見させて頂くと、ご本人は知らないだけで、ホームページを作ったあとにSEO対策をはじめ多額の広告費を使っていた。といったケースもあります。

 

 残念ながら、弁護士が何もしないで、多くの依頼者を確保できる時代ではなくなっています。士業間の競争も激化しており、たとえそれなりの実績のある弁護士がホームページを開設しても、それだけではアクセスがないのが現実です。これまでの評判や口コミの紹介で集客してきた時代の弁護士の発想とは、違うものが求められるのがネットの世界ということもできます。

 

 現実的に弁護士過剰といわれる時代。ネット上で数多くヒットする弁護士、あるいは法律系士業(隣接士業)のなかから、市民の目にとまるためにはどうすればいいか―。そのまず、手始めに考えなければならないのが、ホームページを作ったあとのSEO対策なのです。



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