前回のコラムでは、ユーザーに対して、少しでも相談解決事例や実績をアピールした方が、サイトの反響は高まりまるというお話をしました。しかし、実は、相談解決事例や実績を出すときに注意すべきことがあります。それを守らないと効果が半減してしまうため、今回はその注意点について解説していきたいと思います。
相談解決事例や実績を出すときに注意すべき点は何かというと、それは端的にいって、「多くを語りすぎない」ということです。
例えば、離婚問題に悩んでいるユーザーがいたとします(離婚問題に同じぐらい精通している弁護士AとBがいると仮定)。
① 弁護士Aは、離婚問題専門の弁護士で相談解決事例も豊富にあります。
② 弁護士Bは、離婚問題、交通事故問題、交通事故問題、債務整理など相談解決事例も豊富にあります。
もし、そのユーザーにAとBのどちらの弁護士に相談したいかと尋ねたとしたら、どちらを選ぶのかということです。ほとんどのユーザーは、弁護士Aを魅力的だと考えるのではないでしょうか。同じぐらいの力量の弁護士だったとしても、見せ方、伝え方によって大きな差が生まれてしまいます。
弁護士業務は多岐にわたり、できるだけ幅広く受任案件を増やしたいと考える弁護士が多いと思います。万能選手であることを基本的にアピールしたい傾向は、広告解禁後も顕著にありました。しかし、その発想とは逆に1人の弁護士が様々なテーマを取り扱っているということになると、ユーザーからは専門性がないと捉えられがちです。異なるテーマを語れば語るほど、それは顕著で、また、反響も低下していきます。
同一エリアの他の弁護士がいない状態なら問題はありませんが、既に飽和している弁護士業では専門性がない=特徴がないと思われてしまいかねない現実があるのです。
あなたがもしWEBを使って、受任をしたい案件があるなら、それを1つもしくは2つに絞りこんだサイトを作るべきです。この話は大手WEBコンサルティング事務所でも提案されている話であり、既に実践されている弁護士も多いと思います。困っている人は、専門家が思う以上に、専門性を求めているのです。
具体的なホームページの作り方としては、1つのホームページで1テーマに絞ります。例えば、離婚問題の案件を受任しようと思った場合、1弁護士事務所で1つのサイトで、離婚問題、相続問題、交通事故問題、債務整理など1つのサイトで上記の取り扱い案件を記載するのが一般的です。これはユーザーには、響きにくいし相談解決事例もインパクトが出しにくいサイトになってしまいます。
離婚問題なら、離婚問題解決に特化したWEBサイトを作るべきあり、そこに全経営資源を投入して反響を出していく――。既に弁護士業界は飽和しており、ユーザーの目線は厳しくなっているのが現実です。そのことを踏まえてホームページ制作・運営を考えていく必要があります。