司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 
 「ホームページを業者に依頼して作ったが、まったく反響がない。一体どうしたらいいのでしょうか?」。

 

 ホームページ制作の仕事をしていると、こんな相談が数多く寄せられてきます。今回はその代表的な事例を紹介したいと思います。私たち自身が1000社以上の企業・商店のホームページ制作にかかわってきましたが、WEBコンサルティングの現場からすると、常々ホームページは制作目的によって、作り方が大きく異なるという現実を感じています。 逆にいえば、制作を依頼する側も、ここを理解しておかないと、いくらデザインやキャッチコピー、ページ構成、SEO対策が優れていても、集客につながらないという結果を生むということを、注意しておかなければなりません。

 

 ホームページの役割には、会社案内的ホームページと集客向けページがあります。会社案内的なホームページとは、おもに事務所概要(代表者、所在地、業務内容)が書かれています。基本情報の伝達とイメージづくり。弁護士についていえば、弁護士事務所として「信用してもらうための」ホームページです。企業で言えれば、ソニー、日立、パナソニックなどの大企業のホームページには、そうしたものがあります。
 
 一方、集客向けのホームページとは、ユーザー側の具体的な「注文」ニーズにこたえる内容を備えたもの。弁護士でいえば、裁判、債務整理、離婚、交通事故といった具体的な案件の依頼を念頭に、受任につなげるためのホームページということになります。 当たり前のことのようですが、ことホームページでの集客を念頭に置くのであれば、当然後者の作り方をしなければなりません。

 

 両者は一見似ているように見え、あるいは明確な区別がなされないまま、受けとめられているかもしれませんが、そこには一点明確な違いがあります。それは、集客向けホームページは、「注文」に必要な情報(顧客が知りたい情報)、弁護士についていえば、すばり「依頼に必要な情報」がはっきりと書かれている、という点です。
 
 これは言葉遊びではなく、依頼者・相談者にとって、大きな違いです。債務整理であれば、金額、内容、流れ、実績、よくある相談など、市民が申し込むために必要な情報、さらにそれ以外の分野でも、市民が困ったことが解決できる具体的な事例が書かれている。基本的なことでありますが、ここが、集客向けホームページの神髄ともいうべきところです。
 
 一方、会社案内的なホームページでは、意外なほど弁護士事務所の業務内容や弁護士のプロフィールしか書かれておらず、市民が相談したくても相談できない。 いくら業務内容やプロフィールが弁護士選びの、重要な要素の一つであったとしても、肝心の情報が欠落していては、依頼につながるわけがありません。

 

 法律事務所が同一エリアに、ほかに1件もなければ、そうした情報が欠落したホームページでも、事務所の門をたたく市民はいるかもしれませんが、いまや数として飽和状態といわれる弁護士にあって、そうしたことがあり得ないのは、誰の目にも明らかです。 わずかな違いに見えるが、実は市民にとっては極めて大きな違いということがあります。

 

 ここをはき違えてしまうと、いくら費用をかけても、少なくとも集客できるホームページにはなりません。ホームページ集客に壁を感じている方は、まずこの基本に立ち返り、見直して頂きたいと思います。



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