司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 埼玉弁護士会では、登録7年以上になると弁護修習担当の資格を得ます。私は今年で9年以上ですので、7年以上になった2年前からお誘いがありました。 2年前は司法修習生用の机を用意するスペースがなかったので、お断りしました。1年前は採用したばかりの勤務弁護士の指導で手一杯でしたので、やはりお断りしました。

 

 そして今年は・・・・以前は正社員の事務員の他に、一時的に採用した事務員がいたのですが、今は雇用期間満了により退職しました。そのため机が一つ空いています。それでもまだまだ勤務弁護士に手取り足取り指導しなければならない状況ですので、今年も弁護修習担当をお断りしようと思っていました。

 

 ところが事情を知らない勤務弁護士が、司法修習生の配点担当者に「うちは机が一つ余ってます」と答えてしまいました(笑)。これも何かの縁です。さすがに今年で3回目の打診ですので、司法修習生を迎えることにしました。

 

 私自身が司法修習生を迎えるのは、今年度が初めてですが、私自身が勤務弁護士だった5年の間にボス弁が司法修習生を迎えていましたので、私も起案など指導の手伝いをしていました。当時は私がボス弁や兄弁から教わってばかりの状況でしたので、司法修習生に教えることは新鮮でやり甲斐がありました。

 

 しかし、いざ自分が司法修習生を迎えるとなると、プレッシャーを感じます。弁護修習は、司法修習生が初めて弁護士の業務を間近でみる機会です。一生忘れることはないでしょう。そのため充実した弁護修習にしなければなりません。

 

 私の弁護修習先は、ボス弁と兄弁2人という3名の弁護士がいました。皆それぞれ起案スタイルも依頼者との接し方も個性がありますので、非常に勉強になりました。また弁護士が3名いる分、事件の量とバリエーション、そして会務活動の内容も豊富でした。弁護修習は多忙を極めましたが、よい経験をすることができました。

 

 ところが現在の私の事務所はというと・・・・。勤務弁護士が間もなく独立予定ですので、弁護修習中は私1人しか弁護士がいません。また、本来ならそもそも弁護士1名で足りる事務所ですので、事件の量もバリエーションも豊富とはいえません。会務活動も私1名分ですので少ないです。私自身の弁護修習先と比べると・・・見劣りするといわざるを得ません。

 

 それでも弁護修習担当になるのは決まったことですので、少しでも司法修習生が充実した弁護修習を送れるよう全力を尽くします。事件の量とバリエーション、会務活動は他の弁護士の協力を得ればカバーできます。

 

 そして起案の指導は当然ですが、弁護修習にはもう一つ大切なことがあります。飲み会です(笑)。司法修習生を弁護士の飲み会に積極的に連れて行きます。ある先輩弁護士の受け売りですが、弁護士は書籍代と飲み代は惜しんではなりません。多くの弁護士に会うことにより、様々な考え方やスタイルを学べます。苦手分野の事件を相談することもできますし、利益相反で受けられない事件を紹介してもらうこともあります。他の修習とは違いり、飲み会は弁護修習の醍醐味といっていいかもしれません。そして就職難という今の時代の特色でもありますが、色々なところに顔を出せば就職活動にも有益になるはずです。

 

 私自身若手ではありますが、後進の育成も弁護士の大切な業務の一つですので、司法修習生が充実した弁護修習を送れるよう頑張ります!



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