司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 一般的な法律事務所の通常の営業時間は、平日の日中のみが多いと思います。確かに弁護士にも休みが必要ですから、コンビニのように24時間年中無休というわけにはいきません。ですが、相談者には社会人の方も多いです。社会人の方は平日の日中は仕事があるため、夜間や土日祝日に相談を希望されます。そのため、弊所では夜間や土日祝日も相談を受け付けています。

 

 また、相談を受ける受けないにかかわらず、夜間や土日祝日も業務を行っているという事情もあります。おそらく多くのマチ弁の方も同じだと思いますが、平日の午後5時~午後6時に帰れることはほとんどないはずです。世間では定時上がりかもしれませんが、弁護士にとっては早退というイメージです。平日の日中は裁判や電話、その他メールやFAXの対応で忙殺されますので、夜間や土日祝日に溜まった起案をこなす必要があるからです(それでも、夜間や土日祝日に、会務活動あるいは異業種交流(ロータリーや商工会などの経営者団体)の予定が入ることも多いので、起案に使える夜や土日祝日は限られています)。

 

 さらに、経営基盤が安定しているベテラン弁護士とは異なり、私のような若手は事務所を維持するために経営努力をしなければなりません。実際、営業時間が平日日中のみという事務所はまだまだ多いので、夜間や土日祝日は多くの相談が入ります。
 

 しかし、夜間・土日祝日相談にもデメリットがあります。これらの時間帯は事務員がいないからです。相談自体は問題ないのですが、受任につながる場合は資料をコピーする必要があります。事務員に代わって弁護士がコピーをしなければならないため、資料が大量だと非常に大変です。資料を一旦お預かりして後日事務員がコピーするという方法もありますが、通帳など預かりにくい資料はその場でコピーしなければなりません。お茶出しも弁護士がします(これはこれで、相談者の方が喜んでくださるからいいのですけどね)。
 

 また、土日祝日相談の場合、相談当日にキャンセルをされると困ってしまうことがあります。上記の通り土日祝日も起案のために出勤することが多いのですが、特に予定がなければ休みを頂くこともあります。休み候補の日には相談を入れなければよいのですが、相談者の状況によっては早急に対応しなければならないこともあり、休み候補の日を潰して相談を入れることもあります。

 

 しかしながら、このような場合に限って、以下のような事態が起こります。

 

 「状況からすると確かに急いで対応する必要がありそうなので,リクエストに応えて休み候補の日に相談を入れる」

 「私と勤務弁護士が,休み候補の日に出勤」

 「当日に相談キャンセルの電話が入る(あるいは無断キャンセル)」

 

 私の休みを潰すだけならまだしも、勤務弁護士の休みも潰してしまうことになるので、申し訳ないと感じます。最近は、休み候補の日に相談を入れる場合、私だけで対応するようにしています(その分、弊所の勤務弁護士は平日の夜遅くまで頑張ってくれています)。

 

弁護士が激増していますので、夜間や土日祝日相談を行うのがスタンダードになる日は遠くないと思います。負担かもしれませんが、それでも相談があるだけマシかもしれません。このまま弁護士が激増すれば、夜間・土日祝日でも相談が入らなくなるでしょうから・・・(苦笑)。



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