平成27年4月より、埼玉弁護士会の新執行部がスタートしました。執行部の業務は激務であるにもかかわらず、今年度の会長も副会長も熱心な方ばかりですので、頭が下がります。
前年度、私は調査局委員会の委員長という立場で執行部の活動に加わりました。年度が変わり前調査局のメンバーが一新され、新調査局が設置されました。私もお役御免と考えていたのですが、前委員長だった私は新調査局の「顧問」という名誉職(?)に就くことになりました。顧問の役割は、前年度のノウハウを伝える程度であり業務量は少なめですが、今年も調査局の一員として頑張ります。
さて、調査局の役割は何かというと、執行部のサポートです。活動内容は年によって様々ですが、議事録作成、何らかのテーマの調査、市民集会の手伝いなどです。その年の会長や副会長が声をかけた若手会員が、調査局員に就任します。
規模も、年度によって様々です。以前の調査局員は数名程度だったようですが、前年度は十数名、今年度は20名以上であり、以前よりも大幅に増えています。
その年度の業務量によっては、調査局員は数名でも足りるのかもしれません。しかしながら、人数が多いことで良い効果があります。「多くの若手会員が会務に接する機会ができること」です。
ある年度の元会長は、若手会員に負担をかけることを遠慮したため、調査局を設置しませんでした。ところが前年度において、多くの若手会員が調査局として市民集会などの会務に参加しました。調査局の活動は大変だったと思いますが、その一方で若手会員達は、「会務に参加して楽しかったです。弁護士会が何をしているのか知ることができました。色々な弁護士と知り合えるのも良かったです」と述べていたそうです。
これを聞いた元会長は、自分の年度でも調査局を設置してもよかったかもしれない、と話していました。
我が埼玉弁護士会も会員数が激増していますので、顔と名前が一致しない会員が増えてきました。ある新人弁護士は、「新人弁護士の数が多いので、最初の頃はなかなか自分のことを知ってもらうことができず孤立感がありました。しかしながら、調査局の活動を通じて多くの弁護士と知り合うことができました。その結果、弁護士会に属していると感じるようにもなりました」と述べていました。この方はイソ弁であり、ボス弁もある程度会務活動をしている方なのですが、それでも登録初期の頃は孤立感を感じていたようです。
そうすると、他会で修習をして埼玉で即独をした人は、知り合いの弁護士が非常に少ないでしょうから、より孤立感を感じているのではないでしょうか。あるいは、ビジネスに徹して会務活動を行わない事務所の弁護士は、そもそも孤立という感覚そのものが生じないかもしれません。
先日、東京弁護士会の副会長選挙に、アディーレ法律事務所所属の若手弁護士が立候補し、公約として弁護士会の任意加入を掲げました。思えば、これも弁護士会に属しているという感覚がないことの表れだと感じます。
弁護士会の所属意識という感覚が良いか悪いかは様々な意見があるでしょうからここでは触れませんが、少なくとも、価値が下がった今でも弁護士という職業が社会からそれなりの信用を得ているのは、個々の弁護士の努力に加え、弁護士会自体が社会正義の実現のためプロボノ活動をしている影響もあるはずです。弁護士という職業にプライドと責任感を持つことにもつながります。
私自身はというと、会務に全く参加しないわけではありませんが、会務活動は労力を割かれ大変ですので積極的な方でもありません。そんな私でも、会務活動をして良かったかどうかと問われれば「良かった」と即答します。会務活動未経験の弁護士の方は、機会があれば1度は会務活動に参加するのもよいかもしれません。色々と仕事を振られるとは思いますが、会務活動が合わなければ頑として断って足を洗えば済むはずです(よほどの逸材でない限り、弁護士は去る者を追いません)。
基本的に会務活動はプロボノゆえ大変な面もありますが、学校でいえば「部活動」のようなものですので、これからも楽しく(?)部活に参加します。もちろん、多重「会務」者にならないレベルで・・・・(苦笑)。