司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 弁護士は裁判期日に出席するため、日中は外出していることが多いです。外出していると非常に気になるものがあります。電話です。

 

 独立直後は事件数が少ないため、電話も少なかったのですが、それでも1日に10本以上は電話がありました。最初は事務スタッフがいませんでしたので、外出中は、事務所への電話を私の携帯電話に転送させ、可能な限りすぐに電話応対できるようにしていました。

 

 しかしながら、電話に出られないことも多いです。気がつくと携帯電話の着信履歴がたまっていくので外出中は落ち着きませんでした(なお、電話代行というサービスもありますが、コスト削減のため(笑)、私は利用していませんでした。知人の弁護士の話によると、使い勝手はいいようです)。

 

 独立してから半年ほどして、事務スタッフを迎えました。外出中でも事務スタッフが電話をとってくれるので、非常に助かりました。それでも、外出中に電話が何本もかかってきますので、事務所に戻ったら電話応対に追われます。

 

 当初、電話回線は1回線だったのですが、やがて2回線に、そして勤務弁護士を入れてからは3回線に増やしました。弊所の人員は私を含めて4人しかいないにもかかわらず、タイミングによっては3回線とも塞がります。そのため、電話応対は結構大変です。「今日は電話が多かったですね(少なかったですね)」という言葉が、帰り際の恒例の挨拶になっています。
 

 法律事務所は色々な電話がかかってきます。依頼者や知人なら問題ありません。営業の電話は対応が面倒ですが、事務スタッフがうまく断ってくれます。注意しなければならないのは、相手方本人やその関係者からの電話です。相手方は代理人である私に対して敵意をもっていることが多いので、事務スタッフも慎重に応対します。

 

 中には反社会的勢力やDV夫など危険な相手もいます。司法修習生時代、弁護教官から、「電話の相手がどのようにして弁護士を知ったのかについて、必ず確認すべきだ。危険な相手もいるからだ」と教わったのが今でも記憶に残っています。確かにその通りです。

 

 そのため、電話応対の際は、「名前(社名)」、「どのようにして弊所を知ったか」、「用件」、「電話番号」などを確認します。

 

 初めての電話であるにもかかわらず用件すら言わずに私につなごうとする電話相手は、大半が営業です。事務スタッフは電話の相手に用件を聞き、営業であることがわかれば丁重にお断りしています。

 

 もちろん、異業種交流で名刺交換した方からお電話をいただくこともあります。事務スタッフは私の交友関係を全て把握しているわけではありませんので、営業かどうか区別がつきません。しかしながら、1度お目にかかったことがある方は、「○○の会で峯岸先生と名刺交換をさせていただきました」「ご相談したいことがありまして・・・」と、すぐに私との関係や用件を説明してくださいます。そのため、電話応対をする事務スタッフも営業ではないとすぐにわかり、私につなぎます。

 
 あるとき、事務スタッフが電話をとったところ、電話相手が「○○会社の××です。峯岸先生をお願いします」と話し出しました。事務スタッフにとっては初めて聞く名前です。事務スタッフが私との関係と用件を伺ったところ、電話相手は「失礼だ!私は弁護士の知り合いが何人もいるが、関係や用件を聞かれたことは初めてだ!」と怒りだしました(私も事務スタッフの目の前にいたため,相手の声が聞こえてきました)。

 

 事務スタッフは、いきなり怒鳴られて面食らっていました。事務スタッフの名誉のために申し上げますが、社会経験豊富なスタッフであり、電話応対は平均以下ということはないと思います。私も目の前で事務スタッフの会話を聞いていたのですが、失礼な言い方には聞こえませんでした。電話相手は怒鳴りながら、ある会合で私と名刺交換をしたことがあると告げました。

 

 私は電話を代わり、電話相手に対し、結果として不快に思わせてしまった点については謝罪をしました。電話相手は私に法律相談を申し込みましたが、初めての電話でトラブルになってしまうような方では相性が合わないと感じましたので、多忙を理由に丁重にお断りしました。

 

 電話応対で弊所の第一印象が決まります。私の気づかないうちに、電話の相手を不快にさせてしまうことがあったのかもしれません。上記の電話を教訓に、より一層丁寧に電話応対をするように心がけております。

 

 しかしながら、上記の通り法律事務所には危険な相手から電話がかかってきます。初めて電話を掛けてきた電話相手に対し、私との関係や用件を聞くことが間違っているとは思いませんし、普通の人はその程度では怒らないと考えています。それでも電話相手を怒らせてしまうことがあったら、「ご縁がなかった」と割り切って考えるしかないな、と感じた出来事でした(もちろん、当方がマナーを守ることが前提ですけどね)。



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