司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 平成26年、2014年、今年、私は70歳、古希を迎えた。人生100歳、新しい30年の第一歩を踏み出した。1月は、池上本門寺に初詣をし、2日は小平に親の墓参りに行ってきた。70歳になれば、ちょっと身も心も世間から引いて、この国、この世界を鳥瞰してみてもいい。今は特に体に不調な部分はないが、これから、あちこちに、老化、生物学的な萎縮、前頭葉の機能低下などが当然にやってくることだろう。

 

 70歳からの人生は、肉体の萎縮を日々コントロールしながら、人生自体の萎縮と貧困とも戦わなければならなくなる。まずは、肉体面で人間ドックに予約し、現時点での肉体の現状把握分析から始めなくてはならない。人間ドックも進歩していて、スーパーガン検診ドックとかアンチエイジングドックとか、脳ドック、運動器ドック、動脈硬化ドック等々、最新の測定器を用いたさまざまな肉体チェックシステムがある。お前100まで生きるつもり?と同年代の友人に笑われたが、これは、われわれの世代にとっては冗談ですまない現実の問題なのである。重要なのは90歳までは基本的健康を維持するということだ。

 

 さて今年から数えれば100歳まで30年ある。この30年間で間違いなく起こることは、医療技術のさらなる進歩で、ガン、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞など臓器に関わる病気はきっと治療可能になるだろう。これから30年間の過ごし方で、決定的に重要なのは、運動と食事を毎日気をつけるという平凡な結論。そして、これから生ずる総ての病気は、生活習慣から生まれるということだ。しかし最新の医療情報には目を通しておくことも重用。分子生物学の発展や測定検査技術の驚異的進歩で、今日の健康常識が、明日は非常識になるなどということが今や日常茶飯となっている。

 

 分子生物学の発展や測定検査技術の進歩によって、人間の歴史の見方が変わってきた。ミトコンドリアDNAの分析で、人類の祖先はアフリカに生まれたということが明らかとなった。現生人類は、その表現系はその後の環境で異なる個性を持つようになったとしても、黒人も白人も黄色人種も皆親戚ということになった。長年人間相互間での憎悪、偏狭、争いを引き起こしてきた人種差別論もこれで意味のないこととなった。20世紀のDNAの発見で、病気を進化生物学の観点から研究する学問が今発展しているそうである。

 

 最近では、人類の歴史も進化論的な視点を取り入れて見直され始めている。6万年前にアフリカを出て、1万年前に農耕が始まる。生物学的には、ホモサピエンス・ホモサピエンスはその頃と少しも変わっていない。6万年前の人類の細胞を採取した宇宙人が、その細胞を現代人の卵子に入れて生まれた人間がいたとすれば、その6万年前の人間は、そのまま現代の文化的環境に適応して普通の人になるということだ。さて、これからの30年をどう楽しんで行こうか。読みたい本は限りなくある。死ぬまでに読みきれるだろうか。旅もある。シルクロードを旅したい。

 

 しかし、この30年間には、大きな災いが三つある。どれも避けられように無い。一つは東京直下大地震と富士山大爆発だ。これは自然現象で防ぎようも無い。二つ目は日本経済崩壊だ。国の1000兆円の借金をどうするか。それだけを見てもこの先が見えてくる。税収がないなら財政支出を大縮減するか、それとも大増税をするか、さらに借金をするか、ついには外国にまで借金するか、戦争という名の公共投資という最後の一手もあるが、結局、大インフレということになる。三つ目は世界第三次大戦。これが起これば100歳を待たず、若い人を含め世界全員がともにあの世行きとなる。しかし地球はやっと静けさをとりもどすことになる。「トウ キョウ」というあの日本人の絶叫フィーバー! 何でも世界一トウキョウと恥ずかしげも無く絶叫する都知事候補、最近のこうした現象というか、空気を見ていると、案外、世界第三次大戦はありかも・・と今はアザー・ガットの「文明と戦争」を読んでいる。

 

 「膨大な資本の蓄積を戦争に活用するための一つの手段は、高度に展開された赤字財政政策であった。徴発や課税とは対照的に、この手段を用いれば、富裕層や社会的権力者に抵抗されたり、隠されたり、持ち去られること無く、民間資本を自発的かつ容易に国家に提供させることが出来た」(文明と戦争 下 217P)。この膨大な軍事費の借金の結果はフランス革命であった。

 

 災害対策増税、オリンピック増税、尖閣列島軍備費増税(いずれも、公務員が忙しくなり、大企業が儲かる)・・などとならないように願う。



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