〈閑話休題 終末の夏を楽しむ 2〉
7月13日、モンゴル ナーダム祭の最終日は、私の誕生日でもあった。ウランバートルのウクライナという私気に入りのレストランで日本の旅人たちに69歳の誕生日を祝していただいた。私は、お礼に、レストランの楽隊たちの演奏に合わせて「モスクワ郊外の夕べ」を日本語で歌い、後に続け、通訳のヒシゲ嬢がロシア語でその歌を歌った。
今回のツアーの目的には、講談師、神田京子さんの公演に参加するという目的もあった。ジンギスカンの物語を講談で語り日本の話芸をモンゴルに紹介しようというのである。今回のツアーを企画したのは創芸社の山川社長で私もその企画にのった。ウランバートルの市民文化センターでの公演は好評のうちに終わり、7月14日には乗馬組みの私たちは帰国の途についたが、講談師 神田さん一行は7月19日現在、モンゴルで地方公演を展開しているはずである。
私がモンゴル好きとなったのは、そもそも1万年前の祖先は、モンゴル人、あるいは中央アジア北方系に属する遊牧民が祖先ではないかと思ったからである。最近のDNAミトコンドリア分析ではそうであるらしいのだ。しかも日本語、朝鮮語がウラルアルタイ語系に属し、シナ・チベット・タイ系の中国語とは発音はもちろん文法も全く異なる。
DNAミトコンドリア分析。全く20世紀後半から始まった生物学革命は人類学の分野にも及んで、我々の常識、偏見をことごとくにぶち壊して行く。特に分子生物学の発展は、医学の世界も薬学の世界をも根本的に変えつつある。モンゴルで満69歳を迎えた私であるが、どうもまだ死にそうにない。かねて人生三回、寿命90歳説を展開していた私だが、医療の進歩のおかげで、どうやら健康寿命90歳、寿命100歳説に変えなければならなくなったような気がして来た。
ということは、あと30年生きることになる。これからの30年間、皆さん、一体何が起こると思いますか。
私は、以下の3つの内、少なくとも一つは100%の確率で起こると思う。一つ、自然災害で、大地震大津波、富士山大噴火。二つ目、ハイパーインフレーションで日本経済大崩壊、三つ目は世界第三次大戦だ。その内、一番起こりそうなのが、大地震大津波、富士山大噴火なのではないか。ハイパーインフレーションはこの三つの大災難のうち一番軽傷。
むしろ盲点としてありそうなのが世界第三次大戦なのではないか。尖閣列島騒ぎの日本人の狭量でヒステリカルな反応を見ていれば人間存在の限界を感じるし、世界を見ても、各国間の貧富の格差は広がるばかり。オリバーストーンも言うようにアメリカ帝国が崩壊するかも知れない。
これからの30年、とにかく死ぬわけには行かない。世界の最後を見届けないで死ぬわけには行きませんね。明日もウオーキングと水風呂だ。生きること自体が目的になってきた。