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 〈愚かな9条改定論者〉

 プーチンのウクライナ侵攻という暴挙は、全く理解できない。精神状態が正常ではないのではないかという思いさえする。安倍元首相らの9条改定という考え方も、全く理解できない。政治家の政権争いなどには関心はないが、政治家には哲学がないように見える。

 権力者に与して大臣ポストを狙う政治家の馬鹿面には、腹が立って仕方がないことがある。弁護士の中にも、そういう輩がいる。弁護士が政治家になっている中には、9条改定を目指す輩もいる。腹が立って仕方がない。

 これは法律論とか、学問的思考ではなく、感情的に腹が立つもので、弁護士の役割とか社会的使命というより、一人の人間としての気持ちの問題である。法律などという理論も大事ではあるが、戦争は絶対反対という戦争に     対する拒絶感という感情面も、戦争をさせないためには不可欠である。地方弁護士の社会的使命を語る上では、理屈だけではなく、人間の気持ちの部分も少なからずある。これを軽視すべきではない。

 9条の有難さは、明治憲法下の戦争の連続だった時代を体験した人間としては、身に染みて実感している。日本国憲法下における、戦場に送られることがなく、戦争で命を奪われることもなく、奪うこともなく、人権を侵害されることもなく、侵害することもなく、自由に生きられることの有難さは、戦争の悲惨さを知る身の人間としては、9条のお陰であると感謝している。

 しかし、9条が生まれた後にこの世に生まれた政治家の中には、9条誕生前の戦争の悲惨さなど体験したことがないため、9条を改定し、日本も米国と歩調を合わせ、戦争のできる国に戻すべきだなどと言い出す馬鹿もいる。

 そのような馬鹿は、国や国民よりも自分の地位と権力に拘っているようにしか見えない。特にアメリカの顔色を伺っているように見える。安倍元首相などは、その代表とも言うべき存在である。トランプ大統領を日本に招き、ゴルフと飲み会をしている姿をテレビで見て腹が立って仕方がない。

 こんなことを発信するのも、弁護士の社会的使命と考えている。理屈ばかりでなく、自分の心の中を地方住民に吐露し、教え広めることも地方弁護士の社会的使命であると考えている。

 個人攻撃的な発言はしたくはないが、多くの犠牲者の命のお陰て創られた9条を、78年間平和を守ってくれた9条を一部権力者によって改定されるようなことだけは阻止したく、誰もがすぐ分かるようにストレートに言わざるを得ない。いささか感情的な言い方になるが、戦争で夫を亡くした身近な人の一生を目の当たりにしてきた身としては、こういう言い方を止めることはできない。


 〈もっと9条の哲学を学ぶべき地方弁護士〉

 日本国憲法9条は、どのようにして生まれたのか、日本国憲法9条の持つ実際の効果を、地方弁護士は津法住民に知らせるための伝道師にならなければならない。地方弁護士の社会的使命は、地方住民に対し、日本国憲法の特に戦争放棄の規定が生み出された経過や、その効果を教え説き広め、最高の哲学である憲法9条を死守することが、人命と人権を守ることになるということを発信することにあると確信する。

 地方弁護士は、現在その使命をどの程度果たしているだろうか。僭越だが、これまで戦争放棄の規定を死守しなければならないとの一念で、戦争放棄に関する駄弁本を25冊以上も発行した身としては、他の地方弁護士にももっと奮起して欲しいという思いはある。

 日本国憲法を勉強し、司法試験に合格して得た弁護士資格を持つ者は、憲法9条の規定など、いまさら勉強する必要などないと思い上がっているかもしれないが、そうではない。勉強すればするほど、憲法9条の哲学は奥が深く、多くの犠牲の上に生まれたものであることが分かる。そして、その絶大な効果を実感できる。

 地方弁護士の中には、「註解日本国憲法」を読んだこともない人もいそうだ。正直に言えば、それでは憲法の伝道師には足りない。地方弁護士は、伝道師になるためには、それなりの勉強が必要である。

 言い過ぎになるかもしれないが、地方弁護士の中にも、憲法をそれほど深くへ辺境勉強していないと思える人もいるように思えるが、如何であろうか。日本国憲法、特に9条の哲学に関しては、地方弁護士はもっと深く勉強し、その真意、その成果を世に発信しなければならない。

 (拙著「地方弁護士の役割と在り方」『第2巻 地方弁護士の社会的使命――人命と人権を擁護する――』から一部抜粋)


 「地方弁護士の役割と在り方」『第1巻 地方弁護士の商売――必要悪から必要不可欠な存在へ――』『第2巻 地方弁護士の社会的使命――人命と人権を擁護する――』『第3巻 地方弁護士の心の持ち方――知恵と統合を』(いずれも本体1500円+税)、「福島原発事故と老人の死――損害賠償請求事件記録」(本体1000円+税)、都会の弁護士と田舎弁護士~破天荒弁護士といなべん」(本体2000円+税)、 「田舎弁護士の大衆法律学 新・憲法のこころ第30巻『戦争の放棄(その26) 安全保障問題」(本体500円+税)、「いなべんの哲学」第1~16巻(本体1000円+税、13巻のみ本体500円+税)も発売中!
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