司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 倫理規定には他にも不当誘致条項とか広告宣伝に関する規定などがありますが、この規定の解釈運用においては、不当に、会員間の競争と会員の営業の自由に対する制約とならないよう、業務の適正の維持、資格制度の目的、業務の独立性維持といった趣旨から、厳格に解釈運用されるべきであり、司法書士会がその運用を誤れば8条団体の独禁法違反行為となるということです。

 司法書士法第3条の業務規定が限定列挙されているのは何故かといえば、司法書士法第3条の業務規定が、無資格者、すなわち一般国民の第3条業務取り扱いを禁止しているため、この業務独占規定を広く解釈して禁止規定を運用すれば、国民の憲法22条1項の権利、職業選択の自由権を不当に侵害することになるので、限定列挙しているわけです。

 かって日本の資格制度は、1990年代、ガットウルガイラウンドでその過剰な業務独占体質、競争回避体質、そのことによる消費者への選択権侵害が問題となりました。その後、弁護士制度、司法書士制度も大きく変わって今日に至っています。その司法制度改革の顕著な成果が、多重債務者の救済、利息制限法違反による損害の回復でした。

 しかし前述した朝日新聞の報道にあるように金融業者と法律事務所の談合問題が、今、問題となりつつあります。業者側にも経営上の困難など諸種の事情もあるでしょうが、債務者との和解については、原則としては、裁判上での和解や特定調停制度の活用など公正公平な手続きで和解契約を締結すべきであると考えております。
             
                                        以上

 以上はアコム社の質問状に対する回答だが、司法書士や弁護士の中には協定を業者と結ぶところに至らなくても、業者の言い分を聞いてそれで債務者を説得してしまう者が少なくない。その結果、後日、和解無効の訴えを提起される者さえいる。

 私の事務所では依頼人に取寄せた履歴や計算書、入金してきた通帳の原本、これら総てを依頼人に引渡し、手続きの明確化を図っている。又、和解での値引きは20%までとし、それ以下の条件を債権者が提示してきた場合には原則法的手続きをとることにしている。20%までの値引きに応じるのは、債務者にも立証責任はあり、その証拠がほとんど失われているからである。



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