司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 品川区市民後見人養成講座に参加して、2016年、平成28年11月18日、連続5日間の実務研修を終えて、主催者の品川区社会福祉協議会から市民後見人養成講座終了証を頂いた。

 

 講座は、9月3日土曜日から毎週の土曜日、午前9時から5時まで、10月15日の土曜日まで、合計6回の講義と演習が行われ、11月の14日月曜日から18日の金曜日までは、朝8時50分集合で連日、特養や老健、障害者施設、自宅介護の現場などを訪問、実務研修を体験した。

 

 この講座に参加したのは、金融機関の定年退職者や、上場企業の元社員、公務員、元看護士や介護ヘルパー経験者、介護士など30名であった。平均年齢65歳に見えるこの講座に関わった若い職員の皆さんのご苦労も大変だったろうが、その内容は豊富で地域社会福祉の実際がどのようなものであるか、そのような中で成年後見制度というものはどのようにあるべきであるのかを実感する事が出来た。そして、そこから、これからの日本の未来、今や死語となったかに見える、平和と福祉の国に向けての、小さな小さな第一歩が見えてくるような気がした。

 

 今、口に出せない不安が一杯の高齢者、その家族、フリーター、パラサイト未婚者、離婚ボンビーガール、そして他ならない我々各種専門資格者、司法書士、税理士等々、寂しい人たちにあふれる70年代建設の分譲マンションだらけの東京、その分譲マンションの一室で、今日も独り世帯の老人が人知れず寂しく死んで行く。

 

 仕方ない。それは戦後70年を生きてきてその70年をとおし我々が作ってきた社会なのであり、その結果が、今日の日本であって、その結果責任も又我々が負わねばならないし、それが当然でもある。

 

 その講座のなかで渡された「市民後見人養成テキスト」は440ページの、内容の充実した立派な仕上がりのテキストであった。そのテキストの冒頭、「市民後見人の条件」というあいさつの中で、初代さわやかサービスの元検事出身で著名な堀田さんが「財産を管理するのは、本人がもっともよい生き方をするのを支えるためであり、本人の生き方を支える身上監護を適切に行うことが後見人の基本的な任務(であり)このことを特に述べたのは、後見の歴史の影響によって、後見の主たる業務は財産の管理であると誤解しやすい実務の状況があるからである。財産を不当に奪われてはならない。それと同様に、財産を本人のより良い生き方に使わず、本人の幸せを奪ってはならない。実務で難問を抱えた特は、『善管注意義務』『本人の尊厳』『身上監護』という原点に戻ってほしい。大抵の場合、正しい答えが見つかるだろう」と述べていた。



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