浜矩子教授が命名したアホノミクスと、そのチームの先行きが、どうやら見えてきた。浜先生によれば、大パニックは2年後、2018年にやってきそうだというのだ。
その根拠は、日銀が保有する国債が500兆円、日本の一年分のGDPと同額となる。そうなるとさすがに世界の投機家、投資家もビビってしまって日本から撤退するだろう。そうなると90円台まで値上がりしていたドルが、あれよあれよという間に150円、180円、200円突破、値下がりかということになる。
我々、72歳は、第一次オイルショック、第二次オイルショックの狂乱物価を記憶しているから、インフレには驚かないが、デフレ経済しか知らない若年、中年はさぞビックリすることであろう。エネルギーも食料もすべて輸入依存だから一ドル200円突破の円安になれば、大豆の価格が倍になって、豆腐も100円が200円になる。
ケインズとそのライバル ハイエクについては別の機会にどうしても言っておきたいことがあるが、浜教授が批判しているのは、アホノミクスチームが、絵に描いたようなケインズ的政策を、今日の成熟した日本経済に機械的にあてはめて、少しもそれを怪しまないという点だ。
安倍総理の一方通行的発言も、イギリスEU分離で円高、株安となり誰の目にもアホノミクスが失敗であるのが明らかに見えるのに、マスコミに向けては今こそアホノミクスを完成させようと絶叫している。その絶叫が荒野の叫びに変じるのは、それほど先のことではなかろう。その叫びは、国家主義と統制経済の始まりとなるかも知れないと浜教授は警告、それを恐れてもいる。
7月10日、参議院議員の投票日となるが、この選挙の結果は、場合によれば戦後日本の大転換の日となるかも知れない。自民公明の保守連合で3分の2の議席を獲得したら、この国はどこに向かうのか。その先にはアベノ帝国がまっているのだろうか。
三菱重工始めとする産軍複合体とグローバル企業の連合体に、アホノチームが、全国民の同一労働同一賃金を指令し、国民の一回当たり預金引き出し額を500万円に制限し、各自治体に救国国債を引き受けさせて、町内会会長とその子分たちがインフレに疲弊する人民にその国債を売りつけに来るのだろうか。はるかその上の宇宙には、中国の軍事衛星が回っていて、ピンポイント核兵器で皇居に焦点を合わせているかも知れない。
先日、アルビントフラー氏が亡くなった。1970年、トフラー氏の「未来の衝撃」がベストセラーとなり、その年の秋、私は、当時のサントリーバーで「かもめのジョナサン」を読みながらウイスキーを飲んでいた。それから情報化社会となり、ものの見事に不動産バブルも崩壊した。当時予想できなかったことが一つある。まさかと思っていたアホノ帝国の登場であった。