司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>



 

 〈「戦争絶対反対」「9条改定阻止」の実践〉

 仲間は皆、「人命と人権を守る」ことと「戦争絶対反対」、「憲法9条改定阻止」という考えでは一致している。この考え方に異論のある人はいない。志は皆同じだ。

 このようなことが出来ているのは、「人生は、いまの一瞬を、まわりの人といっしょに、楽しみ尽くすのみ」という生き方をしたいという思いによるものである。この生き方を「いなべんの哲学」と称して、自分の生き方と定めて生きていこうと決めているからである。

 この哲学を実現するためには、人命と人権を侵害する戦争は絶対に阻止しなければならない。この生き方を一人でも多くの人に伝えたく、それを伝えることは地方弁護士としての使命に止まらず、一人の人間としての社会的使命だと確信している。

 この哲学は、憲法や弁護士法より以前にある自分の生き方である。この哲学を広めることは、やり遂げなければならないと自発的に感じている自分の社会的使命であると心に誓っている。人命と人権を守るために「戦争絶対反対」「憲法9条改定阻止」などの行動を実践し、人命と人権を守ることを実現するのが地方弁護士の社会的使命であると確信している。そして、それは私の生き方である。

 人命と人権を守ることは、法的にも地方弁護士の社会的使命であると確信する。弁護士法第1条は、「弁護士は基本的人権を擁護することを使命とする」と明言している。弁護士である以上、地方弁護士にもこの規定に従って、人命と人権が国家機関などに侵されないように、庇い守らなければならない法的な任務がある。

 弁護士法第1条がそのように規定しなくても、人命と人権を守ることは、弁護士である以上、地方弁護士にも当然に、その社会的使命があると確信する。この認識のない弁護士は、弁護士として失格だとさえ思い込んでいる。

 憲法の究極の価値と認めているものは、人命と人権であると、憲法の授業で学んだ。心の底から共鳴した。その実現のために自分のできることは、自分の能力をすべて出し切って実践しようと心に決めている。弁護士法が「弁護士は基本的人権を擁護することを使命とする」と定めていることには、何の異議もない。その規定に全面的に従う。しかし、この規定がなくても弁護士になった以上、人命と人権を守ることを社会的使命と考え行動してきたし、これから先もそのような生き方を続ける。


 〈法的義務のみならず自らの信念として〉

 そういう使命感があるから、地方弁護士の商売面がどんなに厳しくなろうとも、弁護士はやり甲斐がある仕事であり、地方弁護士を続けたい。宮島渉、多田猛弁護士共著の「弁護士のすゝめ」(2022年5月18日、株式会社民事法研究会発行)には、「弁護士という仕事は、人生をかける価値がある」と述べられているが、地方弁護士は人命と人権を守ることを社会的使命としていると考えると、地方弁護士という仕事は、「人生を賭ける価値がある」と思える。

 地方弁護士の商売面においては、かつてと比べれば、年老いた弁護士にとっては、厳しい環境にあると思える面も否定できないが、社会的使命という面では、年老いて益々命を賭ける価値はあると思えるようになっている。年老いてなお、命を賭ける価値のある仕事を続けられることは有り難い。定年もなく、やる気さえあればやれる間はやれる仕事である地方弁護士という仕事に感謝している。

 人命と基本的人権を守ることは、弁護士の法的義務のみならず、自らの信念として弁護士の使命であると自分に言い聞かせている。地方弁護士も人命と人権を守るための使命を果たさなければならないと確信している。

 年を重ねるにつれて、弁護士としての経験は増えるだけでなく、人生の意見も増える。その経験によって、知恵により磨きがかかる。人命と人権を守るために役立つ提言も自信を持ってできるようになっている。これからは、今まで以上にやれることは少なくない。

 地方弁護士は、地方住民に対し、世間に対し、人命と人権がこの世で一番大事であることを発信しなければならない。人命と人権を根本から侵害する戦争には絶対に反対しなければならない。戦争の芽を少しでも早く摘み取るために、国家機関や国民に対する発信に特に力を入れなければならない。弁護士である以上に、人命と人権を侵害されそうだと思われるような動きに無関心であることは許されない。 

 (拙著「地方弁護士の役割と在り方」『第2巻 地方弁護士の社会的使命――人命と人権を擁護する――』から一部抜粋)


 「地方弁護士の役割と在り方」『第1巻 地方弁護士の商売――必要悪から必要不可欠な存在へ――』『第2巻 地方弁護士の社会的使命――人命と人権を擁護する――』『第3巻 地方弁護士の心の持ち方――知恵と統合を』(いずれも本体1500円+税)、「福島原発事故と老人の死――損害賠償請求事件記録」(本体1000円+税)、都会の弁護士と田舎弁護士~破天荒弁護士といなべん」(本体2000円+税)、 「田舎弁護士の大衆法律学 新・憲法のこころ第30巻『戦争の放棄(その26) 安全保障問題」(本体500円+税)、「いなべんの哲学」第1~16巻(本体1000円+税、13巻のみ本体500円+税)も発売中!
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