司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 〈6000万人が死んだ~第二次世界大戦の惨禍〉

 

 第二次世界大戦では、世界中で約6000万人もの人々が亡くなったと言われています。日本だけでも約310万人が犠牲になったとのことです。

 

 記憶に新しいところですが、平成23年(2011年)の3・11東日本大震災・三陸沿岸巨大津波では、約2万人の命が失われました。その衝撃は、日本に止まらず世界中を走りました。その自然災害と比べてみても、戦争で命を失う人の数の多さには改めて驚きます。桁が、単位が全く違うのです。

 

 この世で一番大事なものである命が、人為的に、こんなにも多く奪われる戦争が許されるものでないことは多言を要しません。

 

 自然災害である3・11の犠牲者が2万人弱であるのに対し、戦争では、わが国だけでも310万人を超える犠牲者が出たのです。世界では、なんと6000万人が死んだのです。どれほど戦争が恐ろしいものか、この一事を以ってしても明らかです。

 

 戦争で亡くなった人ばかりが戦争の被害者ではありません。戦争で亡くなった人の家族をはじめ、亡くなった人の周辺の人々の悲嘆も深いものがあります。

 

 のみならず、戦争によって「幸福な一生を送りたい」という基本的人権か踏みにじられた人は、どれほど多くいたか分かりません。戦争に関わった国の国民のほとんどは、戦争によって基本的人権が踏みにじられたと言っても過言ではありません。

 

 戦争は多くの人命を奪い、ほとんどの人の基本的人権を踏みにじるものです。どのような理屈を言おうとも、許されるものではありません。私たちは、戦争を許してはならないのです。

 

 いろいろな理屈はあるでしょうが、「正義の戦争より、不正義の平和がいい」ということを知ってほしいのです。難しい理屈を言う人もいますが、大事なことこそ素朴な感覚が大切です。

 

 

 〈第三次世界大戦で人類は滅びる~核戦争の脅威〉

 

 第三次世界大戦が起きたら、人類は滅びると思います。第三次世界大戦では、核兵器が使われることは間違いないと思います。

 

 核兵器の脅威は、広島・長崎の原爆でも明らかになっています。3・11東日本大震災・三陸沿岸巨大津波による福島原発事故の被害は今なお続いており、今後いつまで続くのか、まだどの範囲まで広がるのかは分かりません。いまだ一原発事故の収拾の見通しがつかないのです。核の脅威は、時間的にも空間的にもどこまで広がるのか、予測がつきません。

 

 たった一つの原発事故でも、こんなにも大きな影響が出ています。これが第三次世界大戦となり、核兵器が使われたとしたら、「人類が滅びる」というのはオーバーな言い方ではないと思います。

 

 「核の抑止力」という言葉があります。これは、「こちらが核兵器を持っていれば、相手方も核兵器を使えなくなるだろう」という意味だと思います。つまり、「こちらが核兵器を使ったら、相手方も核兵器を使うだろうから、核兵器を使うのは止めておこう」ということになるだろうというわけです。

 

 しかし、もしもどこかの国が核兵器を使ったら、相手方も核兵器を使うことになってしまうので、こうなったらもう「核の抑止力」は働かないのです。地球上は死の灰だらけになってしまいます。ここに至っては、人類は滅亡することになります。人類だけではありません。動物だって植物だって、壊滅状態になりかねないのです。

 

 福島原発事故の処理が進まない状況を目の当たりにし、「処理できないようなものを造ることは極めて無責任であり、許すことはできない暴挙だ」と憤りを禁じ得ません。

 

 平成23年(2011年)5月18日に、福島原発事故の対策が遅々として進まない状況に苛立ち、「原発は コントロールできぬ 鉄人28号」という拙い川柳を詠みました。造った人間がコントロールできないのでは、暴れ出しても止められず、恐ろしいことになってしまうと思ったからです。

 

 第三次世界大戦になったら、今あると言われている約1万発前後の核弾頭が使われないという保障はないのです。核兵器を造った人間が、核兵器によって滅亡することになりかねないのです。

 

 もし、北朝鮮の弾道ミサイルに核を搭載して米国に撃ち込んだら、米国も北朝鮮に対し、核兵器を使う可能性は大です。それが互いに1発だけだったとしても、広島・長崎の原爆被爆を体験し、福島原発事故の被害状況を目の当たりにしている私たち日本国民としては、恐ろしい状況が出現することは容易に予測できます。

 

 これが互いに1発だけに止まらず、2発、3発となったら、本当に人類が滅亡することになりかねないのです。直ちに人類が滅亡しないとしても、生き残った人間の悲惨さは想像を絶するものだと思います。そして、終には、人類は滅亡するのです。

 

 人類滅亡、地球壊滅に至るかもしれない、第三次世界大戦のきっかけとなるような戦争を許すことはできません。私たち日本国民は、広島・長崎の原爆を体験した唯一の核被爆国民として、核戦争阻止の先頭に立たなければならないのです。

 

 

 〈戦争を阻止できるのは私たち国民〉

 

 わが国が戦争に突入することを阻止できるのは、私たち国民です。戦争の本当の恐ろしさを知らない政治家に、舵を任せてはいられないのです。私たち国民が、戦争に突入しないよう、政治家の暴走を阻止しなければなりません。少しくらい景気が悪くなっても、戦争阻止のためであれば我慢しなければなりません。

 

 今、安倍政権下において、少し景気が上向きになっているからといって、安倍政権に憲法改正を許してはならないのです。集団的自衛権の行使を許してはならないのです。それらを強行し、日本を戦争できる国にしようとする場合には、そのような者は政権から引きずり下ろさなければならないのです。

 

 暴走する政治家を政治の舞台に立たせないようにできるのは、私たち国民です。目先の利害にだけ目を奪われないように、「真の知恵」を国民は持ちなければならないのです。

 

 私たちは、テレビやインターネット等の普及により、情報が容易に手に入るようになりました。私たちの生活は、その情報によって右往左往している感がなくはありません。マスコミの情報操作によっては、私たちは極めて危い行動を取りかねません。大きく上下する選挙結果は、その現れの一つです。

 

 私たち国民は、マスコミの情報に対し、正しい判断ができるような知恵を身につけなければならないのです。マインドコントロールされないように、「真の知恵」を身につけなければならないのです。

 

 そのためには、普段から考える癖をつけなければならないのです。孔子は、「学んで思わざれば即ち罔し」と語っています。情報を得るだけでは足りないのです。自分の中で、考察を深めることが大事なのです。=この項終わり
(拙著「新・憲法の心 第1巻 戦争の放棄(その1)」から一部抜粋)

 
 

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