司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 〈国際救助隊は戦争放棄の理想を前進させる〉

 

 日本国憲法は、その前文において憲法制定の趣旨を述べています。その主なものは、次の通りです。

 

 ① 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」
 ② 「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」
 ③ 「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

 

と述べられています。

 

 再び戦争の惨禍が起こることのないようにするため、「完全戦争放棄」の規定を置いたことは間違いありません。のみならず、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認し、日本はそのために貢献し、「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」と宣言しているのです。

 

 ですから、日本は単に戦争を放棄するに止まらず、全世界の国民が恐怖と欠乏から免れるように、力を尽くさなければならないのです。そのために、自衛隊を国際救助隊とし、全世界の国民を恐怖と欠乏から救うことが、日本国及び日本国民の憲法上の目標であり、義務なのです。

 

 自衛隊を国際救助隊に変えることは、憲法の理想を「戦争放棄」、「戦力の不保持」、「交戦権の否認」という消極的な意味に止めず、「全世界の国民を恐怖と欠乏から救済する」という積極的な意味を持たせることになるのです。これこそ、日本国憲法が目指している本当の「積極的平和主義」です。

 

 「わが国は戦争をしない国だ」ということに止めず、わが国は国際救助隊を海外に派遣し、全世界の国民を恐怖と欠乏から救済するという役目を果たすべきなのです。それが、「戦争放棄」の規定を積極的に生かす方法だと確信します。安倍政権側から「積極的平和主義」との言葉が聞かれますが、私が言う「積極的平和主義」とは全く意味・内容が違います。あれは「積極的戦争主義」です。

 

 安倍首相は、日本の軍事力を増強し、その軍事力を以て集団的自衛権の行使と称して戦争をやることが、積極的平和主義であると主張していますが、こんな出鱈目を通してはなりません。「戦争をすることが平和だ」なとどいう理屈は、絶対に通してはならないことです。「戦争と平和」は、正反対なのです。

 

 「積極的平和主義」というのは、戦争することではありません。軍事力を増強することではありません。全世界の国民を恐怖と欠乏から救済することです。そのためには、自衛隊を国際救助隊にしなければならないのです。自衛隊を国際救助隊にすることが、国際社会において、「積極的平和主義」を実現することなのです。

 

 

 〈世界が求めている国際救助隊〉

 

 平成23年(2011年)3月11日に「千年に一度」とも言われる東日本大震災があり、三陸沿岸に巨大津波が押し寄せました。想像を絶する被害でした。前述した通り、この時の自衛隊の救助活動は目を見張るものがありました。自衛隊の救助活動によって、どれほど多くの人が救われたか分かりません。

 

 東日本大震災で、福島原発が壊滅状態となりました。その影響は、被災直後は勿論のこと、今なお深く進行している感があります。この原発問題に対しても、自衛隊の災害救助活動が大いに役立っていることは間違いありません。

 

 国内における天災に対する自衛隊の災害救助活動は、東日本大震災に限らず、それ以前から目覚ましいものがありました。「自衛隊は憲法違反の存在だ」と考えている私でも、自衛隊の天災、つまり、地震、津波、集中豪雨、雪害、噴火、竜巻などによる被災時の救済活動を目の当たりにし、自衛隊の存在価値を認めざるを得ませんでした。飛行機事故の処理における自衛隊の活動も、高く評価せざるを得ません。

 

 天災は、わが国に限ったものではありません。世界中に目を移せば、あまり長い間を空けずにどこかで天災が発生しています。天災を被った国やその国民は、救助を求めています。その救助は、国内だけの手では足りず、国外からの救助も必要です。東日本大震災では、多くの国々から救助の手が差し伸べられたことは、記憶に新しいところです。自衛隊が国際救助隊となれば、海外からも救助を求められるはずです。

 

 戦争は、絶え間なく地球上のどこかで繰り返されています。そのために苦しんでいる人々は、毎日生まれています。戦争による難民は、絶えず生まれています。

 

 シリアの内戦によって、約510万人もの難民が発生しています。報道の範囲でしかありませんが、その人々の生活振りはひどいもので、とても日本国憲法が掲げている「文化的な最低生活」などというものではありません。難民生活を送っている人々は、救助を求めています。自衛隊が国際救助隊となれば、その人々は救助を求めてくるはずです。

 

 私は、妻と共著で「食事療法」などの本を多く発行しています。その骨子は「暴飲暴食を抑えろ」というものです。しかし、それは飽食時代の日本ではその通りですか、世界では食べたくても食べられない人がたくさんいます。餓死している人もいます。飢餓状態、つまり食べる物がなくて飢え苦しんでいる人が数多くいます。

 

 このような人々は、食べる物を求め、救助を求めています。自衛隊が国際救助隊となれば、このような人々は救助を求めてきます。国際救助隊は、「減反」だとか、「採れすぎ野菜を捨てる」などというもったいないことにも目を向け、その中心となって改善し、世界を飢餓状態にある人々に食料を運び、救済することができると思います。

 

 地球上には、砂漠化の問題や大気汚染、水質汚染、核汚染、地球温暖化などの問題も多くあります。このような問題は、戦争では何一つ解決できないことは明らかです。国際救助隊がこのような問題に真正面から取り組めば、解決の糸口が見つかると思います。国際救助隊を創れば、そのような仕事ができる人材や組織や機械やノウハウを全世界から募り、より高い能力の人的・物的装備を揃えることが可能です

 

 世界では、約9億人の人々が安全な水を入手することができず、毎年約180万人の子供たちが下痢で死亡しているそうです。国際救助隊がその人的・物的能力、日本人が持っている井戸掘りの技術などを進化させ、その力をフルに発揮すれば、このような人々に対し、安全できれいな水を飲ませることができると確信します。不衛生な水を飲んでいる人々は、安全できれいな水を提供してくれる国際救助隊を求めています。

 

 世界の各地域では、砂漠化が深刻化しています。現在、砂漠化の影響を受けている土地は地球の全陸地の約4分の1と言われており、そのために世界全人口の約6分の1の人々が影響を受けているとのことです。国際救助隊が持つ技術を生かせば、砂漠化を止めるための緑化活動も可能だと思います。

 

 戦争のために使うカネがあったら、緑化に使ってほしいものです。日米合同演習とか、日韓米合同演習をする力を、各国が協力して砂漠化阻止の合同研究などをする力に変えてほしいと思います。

 

 原発による汚染水問題を解決できるのは、国際救助隊だと思います。中国が発生源の大気汚染問題も、国際救助隊なら解決できる可能性がありそうです。

 

 学者は、弁が立ちますが、実行力はありません。学者や有識者などに限らず、肩書きや学歴がなくても、事業家や技術者や経験豊富な現場労働者などの実のある知恵と実行力も借りて、本当に世界に役立つ救助活動を実行する組織を創るべきです。軍事力に使うカネがあれば、国際救助隊に世界から高いレベルの技術者や労働者を集めることは可能です。

 

 

 〈国際救助隊は地球救済の中核になる〉

 

 「自衛隊を国際救助隊に変えて、わが国に国際救助隊の本部を置けば、そこが地球救済の中核となるのではないか」などとの夢が膨らみます。国際救助隊が地球の隅々まで出向いて、救助を求めている人々のために救助活動をすれば、世界から注目され、救助を求める国や人々が、国際救助隊に救助要請をしてくることは容易に予測されます。日本は、人類と地球の救済活動の中心となるのです。

 

 そのようになれば、世界の国々から国際救助隊に対し、協力を申し出てくることも期待されます。世界中の救助に関する知恵や技術が、国際救助隊に集まってくることも期待できます。

 

 国際救助隊は特化し、世界の救助活動の中核になるだろうと思います。「中核」とは、「物事の中心にある最も大切な部分」です。世界の救助の中心部分を、自衛隊を国際救助隊に変えて日本に創ることは、日本のみならず、世界にとって意義深いものになると思います。=この項終わり
 (拙著「新・憲法の心 第5巻 戦争の放棄(その5)」から一部抜粋)

 

 

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