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 〈人類同士の闘いから異人類との闘いの時代に〉

 令和2(2020)年4月4日の新聞報道によると、世界中のコロナウイルス感染者は100万人を超え、死者は5万人を超えたとのことです(編集部注・WHO発表、5月27日現在、感染者548万8825人、死者34万9095人)。いまや、コロナウイルスと人類との闘いという様相を呈し、地球上の人類とコロナウイルスという異人類との闘いになってきています。

 人類と人類とが、国と国とが武力を使って闘うという、戦争の枠を超えたレベルの闘いとなっています。これは、人類同士が闘う戦争とは、次元を異にする闘いです。人類と異人類の闘いなのです。こういう状況の中で、「人類同士、国と国とが武力を使って争う」という戦争の意味と、その戦争の放棄を謳った日本国憲法9条の意味を見直してみることは、意義深いことだと確信しています。

 結論を言えば、人類同士での戦争、つまり、国と国とが武力を使って争うような時代は終わったということを言いたいのです。これまでも書いてきましたが、第二次世界大戦後の地球は、人類と人類とが武力を使って争うという戦争はできない状況になっているのです。そこに気付かない馬鹿が多すぎます。そのような馬鹿が、地球上に溢れています。日本中にも溢れています。そう思うのです。

 昭和20(1945)年8月に広島と長崎に原爆が投下された以降の地球は、人類が戦争をしたら地球は壊滅し、人類は滅亡する状態になっています。人類と人類が武力を使って争う時代は、核兵器が出現した時点で終わった。それに気付かない馬鹿が舵を取っている国が多く、それを許す国民が多すぎます。もう気付かなければならないときなのです。

 人類同士が武力を使って争う時代は終わり、人類は異人類と闘わなければならない時代となりました。コロナウイルスは、人類が闘うべき当面の相手です。いまは、全人類が一致団結してコロナウイルスという異人類と闘わなければなららない状況になっていることに気付かなければなりません。


 〈気付くべき世界の指導者とそれを選んでいる国民〉

 しかし、こんな時に、ミサイル発射実験などをしている馬鹿もいます。互いに相手国の悪口を言い合っている馬鹿もいます。そのような者が舵を取っている国が多く、嘆かわしいという他に言葉がありません。そんな思いで、この駄文を急いで一人でも多くの人に読んでもらいたいのです。

 「コロナウイルスは、中国で発生した」とか、「アメリカ人が中国に持ち込んだ」などと言い争っているアメリカの政治家も、中国の政治家も、あまりに次元が低く、ものを考える頭がないのかと、呆れ返ってしまいます。そもそも権力に執着する政治家などというものは、そんなレベルなのでしょうか。トランプ大統領も習国家主席も、互いに自国の武力を増強し、自国の利益のみを考えています。こんなことでいいのてしょうか。

 広島と長崎に原爆が投下されたあとの全人類、全地球の置かれている状況が見えていない愚か者と言わざるを得ないのです。アメリカや中国は、宇宙空間における戦争の準備さえしているとのことですが、こんなことを許しておいていいのでしょうか。コロナ問題で、世界中が天と地がひっくり返るように騒いでいる中で、ミサイルを発射する北の将軍様に至っては、正気の沙汰ではないと言わざるを得ません。

 コロナウイルスは、中国だけでなく、ヨーロッパだって、アメリカだって、アフリカだって、地球上のどこにでも広がっていて、国境など関係ありません。そもそも国も国境も、人間が勝手に作ったもので自然界にはないものです。人間の物欲と権力欲が作ったものです。

 コロナウイルスは、人間が勝手に作った国境など屁とも思っていません。どこへでも勝手に入り込んでいく異人類は、人の物欲や権力欲や浅知恵など全く気にしていないのです。アメリカも中国も武力増強競争をしてきましたが、コロナウイルスという異人類には、そんな武力は糞の役にも立ちません。トランプ大統領も習国家主席も、もう気付いたと思いますが、あるいはまだ気付いていないのかもしれません。

 相手国の人間をいかにして一気に殺すかという武器を開発することが、いかに馬鹿らしいことなのか、コロナウイルスという異人類の攻撃の前では、戦力など何の役にも立たないものであることが、はっきりしたと思いますが、それに気付いてほしいのです。

 コロナウイルスの感染者の人数で、武力競争で争っているアメリカと中国が争う状況は、皮肉という他はありません。ですが、そこに止まらず、発展途上国や難民キャンプなどで感染が広まったら、その拡大は先進国などとは比べられないほどハイスピードで進む心配もあります。先進国で歯止めがかからなくなったら、本当に人類滅亡という不安が現実化しないとも限りません。いますぐやれる、あらゆる手を尽くさなければなりません。

 トランプ大統領、習国家主席、金最高指導者、そして安倍首相などの世界の指導者を自認している面々は、このことを視野に入れ、今こそ、これまでの自分たちの無能ぶりを、その哲学のなさを自覚し、反省し、行動してほしいのです。これまでの自分たちの馬鹿さぶりに気付いてほしいのです。そのように心から思うのです。

 哲学のない、物欲と名誉欲ばかりの人間ばかりが、世界の指導者ぶっているところに、人類滅亡の危険がある。そのような指導者を、どこの国民も選び出し、その言動をも許しているところに、人類滅亡、地球崩壊の危険かより一層増幅している。そのことに、国民一人一人、人類一人一人がいい加減に気付いてほしいのです。

 コロナウイルス問題はそれに気付く絶好の機会です。いまや国と国が武力を使って争う時代ではありません。「戦争の放棄」と「戦力の不保持」は、日本国憲法9条だけではなく、世界中が共有しなければならないということを全人類に気付いてほしいのです。

 コロナウイルスという異人類を撃退するためには、世界中の国は戦争の放棄と戦力の不保持を宣言し、軍事費をコロナウイルス対策費に回さなければならない。それはグズグスしていないで、すぐやらなければならないことなのです。

 (みのる法律事務所だより「的外」第360号から一部引用)



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