司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>




 

 〈過去と将来の国民に対する責任〉

 日本国憲法は、昭和21(1946)年に公布されました。当時の憲法制定権者である日本国民は、当時の日本国民に託すと同時に、将来の日本国民にも託したのです。今、日本国民として、日本国に生存している私たちは、基本的人権、国民の自由権を守ることを、この憲法を制定した当時の国民からも、将来の国民からも託されているのです。

 ですから、今の国民は、この先の国民から託されているのです。「永久」とは、そういうことです。いつでもその時の、今の国民には、そういう責任があるのです。

 今の私たちは、過去の国民と、将来の国民の間に存在しています。今の私たち国民は、過去の国民に対しても、将来の国民に対しても、国民の権利を守る責任があるのです。「中今」という言葉がありますが、まさに中今です。私たちはそういう立場にあります。今、私たちは過去の国民に対しても、将来の国民に対しても、責任を果たさなければならないのです。

 安倍政権や菅政権が学問の自由に不当に干渉してきた日本学術会議問題を、現代の国民である私たちは見逃してはなりません。今、私たちは、基本的人権、国民の自由権を守るように託されている身なのです。今の私たちが、その託された責任を果たさなければ、過去の国民にも、そして将来の国民にも顔向けができなくなってしまうのです。この自覚が、今の日本人には求められています。

 日本学術会議問題に対する私たち国民の対応の仕方は、国民の基本的人権、自由権に対する向き合い方はどうあるべきかが、試されていると言っても過言ではありません。国民の基本的人権や自由権に対する意識の高さが試される試金石です。ここで、安倍政権や菅政権の学問の自由に対する侵害を糾弾出来ないような国会議員では、クソの役にも立たないと言われても仕方ないのです。

 安倍政権と菅政権の学問の自由に対する侵害という、罪や責任を問い質し、厳しく咎めることが出来なければ、今の日本人は、日本国憲法制定時の国民、将来の国民に託された責任を果たさないことになります。

 嘘や詭弁を見抜けなかったり、見逃すような国民ではならないのです。国民の代表者として、国会で議論している国会議員の先生方には、その自覚を強く持ってほしいのです。


 〈政権に対し国民は警告を〉

 国民の自由は、国民が守らなければなりません。そうしなければ、「思想及び良心の自由」も「集会結社の自由」も「出版その他一切の表現の自由」も「信教の自由」も、国家権力によって侵害され、最後には、赤紙一枚で犯罪の競争と殺し合いの戦場に駆り出されることになりかねないのです。戦争は、「その意に反する苦役」の最大最悪の舞台です。

 このようなことは、絶対にあってはならないのです。戦争の方向に、政権が向かうような気配があったら、国民は阻止しなければならないのです。弁護士は、憲法の番犬として、吠えなければならないのです。

 日本国憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じ行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と述べています。

 ここをもう一度、熟読したいものです。政権担当者に基本的人権、中でも自由権に対する侵害を許したら、自由のもたらす恵沢、つまり恩恵を受けることを自ら放棄することになるのです。

 戦争を絶対にさせないためには、国家権力による基本的人権、国民の自由等の侵害の気配を感じたら、国民はそのような政権に対し、警告を発しなければなりません。そのような気配を感じたら、憲法の番犬である弁護士は吠えなければなりません。そんな一念でこんな駄文を書いています。今はまず、菅前政権の日本学術会議推薦者除外行為に対し、「それは憲法違反である」と吠えて伝えたいのです。

 安倍元首相や菅前首相の嘘や詭弁を許してはなりません。政権の嘘や詭弁を許さないためには、国民が賢くならなければなりません。こんな駄文でも参考にしてほしいのです。=この項終わり

 (拙著「新・憲法の心 第29巻 国民の権利及び義務〈その4〉」から一部抜粋)


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