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 この4月から、横弁の常議員を務めている。常議員会は、弁護士会の議決機関で、会長・副会長の執行部を政府に例えれば、常議員会は国会に当たる。

 常議員は、一応選挙で選出することになってはいるが、今のところ、事前に各期で候補者を調整し、定員ぴったりの人数しか立候補しないようにしているので、私の知る限り、現実に常議員選挙の投票が行われたことはない(もっとも、しっかり立候補の手数料は取られるし、当選証書というのももらう)。

 これが東京3会だと、実際に、常議員選出を巡って、熾烈な選挙戦が闘われることもあるようだが、横浜では、常議員に選ばれたからといって、弁護士業に箔がつくというわけでもなく、私も、同期の中であいうえお順で送り込まれたというだけだ。やはり、東京に比べると、地方はのんびりしたものである。

 さて、横浜では、常議員は35名。これまでは、前記執行部から数名と、各期の同期の中から1~2名が順送りに選出されてきたのだが、果たして、この仕組みがいつまで維持できるのか、非常に疑問だ。

 60期以降の登録者は、以前とは比較にならないレベルで増え続けており、同期からは1~2名と言われて、納得しろといっても、無理があるだろう。実際、人数でみれば、60期以降の若手弁護士が弁護士会の中で多数派を占めるのは、そう先のことではない。

 今のところ、常議員会では、重鎮の意見、中堅の意見、若手の意見と、それぞれきちんと耳が傾けられていて、冷静な議論が交わされてはいるが、若手が圧倒的な多数派を形成するようになったとき、いまのような常議員会のスタイルを維持することが相当なのかどうか、そもそも可能なのかどうか、考えておく必要があるだろう。

 今のところ、常議員会の議論自体は、重鎮だろうと新人だろうと、まったく公平に扱われ、聞いていて非常に面白い。実際、新人の意見が、会の声明の内容に大きく反映されたりすることもしばしばあって、間接民主主義の形態としては優良な方なのではないかと思っている。

 派閥のない単位会であることも大きいのだと思うが、この先、数の力だけがものを言うようなことにならないよう、祈るばかりだ。



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