横浜弁護士会では、会員用にメーリングリストを設けている。以前は一つだけだったものが、法律相談や国選の交代についての連絡が膨大になってきたため、現在では、交代用のメーリングリストと一般用のメーリングリストが用意されている。交代用の方は、ごく機械的に運用されているようだが、一般用は、特に最近になって、しばしば「炎上」するようになってきたようだ。
もともと、私は、直に顔が見えないメールのやりとりは大嫌いだから、基本的に、事務的な連絡以外には使わない。なにしろ、弁護士は好き勝手を言いたがる人たちばかりだから、放っておくと、どんどん議論がエスカレートしかねないので、近寄りがたい。私は、メーリングリストの議論に自分から参加することは殆どないのだが、最近は、端で見ていてさえ不愉快なやりとりが増えてきたように思う。
特に不愉快だったのが、先般の会名変更についての臨時総会前に交わされたメールのやりとりだった。世間一般のイメージでは、弁護士は議論のプロで、弁護士の交わす議論は、冷静に、理路整然と、粛々と進んでいくといった感じなのかもしれないが、実際は大違いで、へりくつとしか言いようのない議論をこれ見よがしに展開する者がいるかと思えば、他方では、人の言葉尻をとらえて徹底的な揚げ足取りに終始する者がいる。
総会が近づくにつれ、弁護士として、というよりも、人としてその議論はどうなんだ、というようなやりとりも増えてきて、実に暗澹たる気持ちにさせられたものだ。
こういう議論が表立ってなされるようになると、そのうち、弁護士の言っていることって、実は大したことないんだ、ということが周知されていくことになる。実際、そんなものなのだが、業界全体として、いま何とかしておかないと、弁護士という職業の信頼性は揺らいでいくばかりだ。
それにしても、仮にも司法試験に受かって、修習を終了してきたものに、「くちを慎んだ方がいいのでは」、なんてことを言わなければならないというのは、実に情けない限りだ。司法改革の失敗の表れと見るべきなのか、それとも、単に私が歳をとって、若手の言動に目くじらを立てているだけなのか、よく分からなくなってきた。