司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 横浜弁護士会には国際交流委員会があり、外国の弁護士会との交流を続けている。今のところ、韓国の京畿道中央弁護士会(以前は、水原弁護士会と言っていたのだが、会名変更したらしい)と中国の上海律師会との間で友好協定が交わされていて、1年おきに相互訪問が行われている。

 

 最近の中韓との関係悪化を受け、どうなったかと心配していたのだが、今年も例年通り交流が行われ、秋には韓国の弁護士が横浜を訪問することになったらしい。毎回、シンポジウムも開かれるのだが、日韓の弁護士が集まって野球やサッカーの試合をしたり、盛大な宴会も開かれ、参加してみると、結構楽しい。

 

 私が副会長のときは、横浜が韓国を訪問する順番の年で、私も役得で韓国訪問に同行させてもらった。水原は、ソウル近郊の歴史ある都市で、世界遺産の水原城がある、大変美しい街だった。2泊3日の駆け足旅行だったが、弁護士会だけでなく、地元の裁判所や検察庁からも歓待され、今でも、実に楽しい思い出になっている。食べ物も美味しく、まだ当時は日韓関係も良好で、良い雰囲気で過ごすことができた。

 

 帰国する前日、地元弁護士会主催のパーティーに呼ばれた。ここで驚いたのが、地元弁護士が皆、大変流暢に日本語や英語を操っていることだった。実は私は語学の勉強が好きで、韓国行きの前は、個人的に家庭教師を雇って韓国語を学んで行ったのだが、あちらの弁護士が普通に日本語で話してくれるので、ほとんど韓国語を話す機会がなく、少し残念に思ったほどだった。

 

 当時の水原弁護士会は、ちょうど横浜と同じほどの大きさで、大規模な渉外事務所が林立しているようにも思えなかった。地方都市の弁護士会なのに、何で、皆んなこんなに外国語に堪能なのか、不思議に思って聞いてみると、韓国の司法試験では、外国語が必修なのだそうだ。それも、相当高レベルの試験であるらしい。

 

 私は行けなかったが、同じ年の副会長で上海訪問に行った人の話を聞くと、上海の弁護士も、皆、英語、日本語が堪能で、留学経験のある人も多かったのだそうだ。まあ、上海の方は、それはそうだろうなと思うが。

 

 今のところ、横浜で弁護士を続けて行く上で、高度の外国語の能力が必要になるような気は全くしない。これは、日本の弁護士がグローバリズムに乗り遅れていることの表れなのだろうか。



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