司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 
 
  横浜は、東日本大震災の直接的な被害はあまり受けていない。それでも、多くの弁護士が、被災者のために奔走している。今回は、その取り組みの一端をご紹介したい。

 原発事故の影響で、福島県から神奈川県に避難している方は、約1300人と言われている。横浜弁護士会では、震災後、今日までに、こうした避難者を対象に、原発損害賠償の説明会を開いてきた。10月で、説明会は4回を数えたが、この間、相談に訪れた方は約400人。単純計算で、避難者のほぼ3人に1人が相談会に足を運んだことになる。

とりわけ、分かりにくい東電の賠償請求書について、説明を求める方が多い。もちろん、相談に当たる弁護士は、無償で取り組んでいる。相談会は、今後も定期的に開いていく予定だ。

 避難者の中には、個別の事件依頼を希望する方も多く、10月には、弁護士の有志によって、「福島原発被害者支援かながわ弁護団」が発足した。この弁護団に参加を希望する弁護士は、最初に、「全くお金にはなりませんよ」と釘を刺される。

 実際、相談料は無料、着手金は1万円だけという取り決めになっていて、弁護士の仕事として、到底ペイするような仕組みにはなっていない。それでも、メーリングリストに弁護団員募集のメールが流れるや、参加希望のメールが飛び交っていた。

 こういう状況を見ると、つくづく、弁護士は、なんとかして人の役に立ちたいという本能を抱えた人々なのだと思う。

 もちろん、今度の震災では、多くの方が、ボランティア精神から、様々な被災者支援に参加してきた。弁護士だけが特別だなどというつもりはない。しかし、新人の4割が就職が出来ないというこの業界から、被災地から遠く離れた横浜でも、いまでもこうして率先して戦っていこうという人が続出するのは、やはり、この仕事の誇るべき部分なのではないか。

 とはいえ、弁護士がみな、明日の食い扶持すら危ういという状態であったら、やはり、こうはいかないのだろう。まだ余裕があるということなのかも知れないが、そうだとすると、弁護士がある程度の余裕を求めるのは、そう責められなければならないことなのだろうか。

 弁護士がある程度の収入を確保できないと、プロボノ活動が制限されるという議論は、大手マスコミには、全く受けが悪いが、事実は事実として、声を大に訴えていいのだと思う。

 私たちは、社会のために、市井の人々のために、戦いたいと思っている。そのためには、武器と兵糧は、どうしても必要なのだ。



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