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 〈気持ちで決めるべき生き方の問題〉

 「人生は、いまの一瞬を、まわりの人といっしょに、楽しみ尽くすのみ」という「いなべんの哲学」に従って生きようと考えている人は、「まわりの人といっしょに楽しめるかどうか」という秤で計って、父の気持ちを優先させ遺言書に従うか、父の気持ちに反し法律を使って遺留分を請求するかを選択することになります。

 それは、その人の生き方の問題です。その人の気持ちで決めることになります。ただ、その人の気持ちの決め方によっては、父の気持ちに反したり、母や兄の気持ちにも反することになることもあります。それが原因となり、骨肉相食む争いとなり、親族関係断絶となることもあります。そうなる確率は、極めて高いということを経験上から述べておきます。

 ここが考えどころです。ここは、法律の問題というより、生き方の問題です。気持ちで決めるべきです。自分で決められる問題であり、自分で決めるべき問題です。

 法律は、法定相続分通りに分けなければならないとか、遺留分を請求しなければならないとは言ってはいません。そうするかどうかは、自分の気持ちで決めるのです。法律は相続問題に関し、「こうしなさい」とか、「こうしなければならない」とは言っていないのです。自分で決めるように言っているのです。

 法律に、そのような規定があるという知識や、裁判をすれば取れるという弁護士のアドバイスも、自分の気持ちで決める上では参考になることは間違いないでしょうが、最後に生き方を決めるのは知識や他人のアドバイスではありません。自分の気持ちで決めるものであることをしっかりと認識しなければなりません。

 人生をどう生きるべきかは、自分で決めることができるものです。そして、最終的には自分で決めるほかないことです。自分の生き方は、法律や裁判に任せるなどということはできないことです。

 弁護士生活50年を超え、相続問題を正確に数えたことはありませんが、1ヵ月に3件、1年で36件平均関与してきたとしますと、既に2000件近くの相続問題に関与してきたことになります。そのような体験をしてきた弁護士としては、初めて相続問題に悩む人に対し、「相続問題は生き方の問題であり、生き方は法律が決めるものではなく、自分で決めるものである」と話してやらなければならないと確信しています。

 どう相続問題に対応すべきか、どのようにして「楽しく生きるための相続」を実現したらよいか悩む人は、ご一報下さい。いっしょに考えたいと思います。


 〈法律や裁判に任せるのが立派とはいえない〉

 国がどう言おうと、法律や裁判所がどう言おうと、自分の生き方は自分で決めなければなりません。相続問題も同じです。気持ちより法律を大事にするのは危ない考え方です。「不正義でも平和がいい」と語った人がいます。不公平だろうと、それで相続問題に関係する人が、皆納得し、幸せならそれでいいのです。法律も公平も正義も皆が幸せならどうでもいいのです。「法律だ」「公平だ」「正義だけ」と形式にこだわり過ぎるのは、時には納得できないことがあります。

 自分の生き方を国に任せるといことはしてはならないし、あってはならないのです。この気持ちを徹底すれば、相続問題は残す人と残された人の生き方の問題ですから、国の干渉は排除しなければなりません。

 個人の自由を守り、再び戦争をさせないためには、個人の問題は法律ではなく、個人の気持ちで決めるという考え方をどこまでも貫き通すことが大事となります。相続問題においては、法律に従うのが立派な生き方だなどというのは、間違いです。法律より自分の気持ち、まわりの人の気持ちを大事にしなければなりません。生き方は法律が決めるものではありません。自分で決めるものです。良心で決めるのです。

 民主主義国家とか、国民主権主義国家では国民の意見が大事です。その国民が愚かで根本的な考え方に欠けていて、いきとどかないということになれば衆愚政治となりかねません。

 大勢の愚かな人々が集まってする政治などとならないように、賢い国民になるためには物事を深く考える癖を身に付けたいものです。生き方は自分で考え、自分で見付け、自分で決めなければなりません。それが賢くなるとうことです。「法律や裁判に任せるのが立派だ」は誤りです。

 (拙著「いなべんの哲学 第6巻 」から一部抜粋)


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