横浜弁護士会の会員名簿には、末尾の方に、期別のリストがあって、各期について何人ずつ登録があるのか、一目で分かるようになっている。私など、まだまだひよっこの気分でいたのだが、これを見ていると、圧倒的に後輩が多くなっていることに、びっくりさせられる。きちんと数えてはいないが、研修所が湯島から和光になって以降の人が過半数をだいぶ上回っているようだし、ロースクールができて以降のボリュームは半端でない。既に、湯島以前組は、会内少数派になっているようだ。
今のところ、横浜は、派閥もなく、会長、副会長人事も、概ね期の順番で、いわば年功序列で進んできているわけだが、若手、例えば、60期以降の弁護士が、ロートル支配はご免だと反旗を翻し、若手派閥を作って、若手のための弁護士会を作ろうと結束すれば、恐らく、これに対抗する手立てはない。来年にも、60期の会長が出てきても、全く不思議はないのだ。そう考えると、少々愕然としてしまう。
現状の業界を見ると、それはそれで、劇薬として、いいかもしれないとも思うが、横浜だけでなく、他会を見ても、未だにそういった動きがあるとは思えない。なぜなのか。
大変な思いをして会長、副会長になっても、あまりメリットが見込めないということもあるかも知れないし、そもそも、若手は食べていくのに精一杯で、会内政治になど関わっている暇などない、ということなのかも知れない。そうだとすると、現在の弁護士会の体制は、砂上の楼閣としかいいようのない代物なのではないだろうか。
世帯間格差は明らかであるのに、若手の疲弊の上に、かろうじて旧体制の平穏が保たれているという、何とも古めかしいイメージを思い描いてしまうのだ。どこかで、マグマが噴出する時期が近づいているのではないか。そのとき、私たち少数派はどう弁護士会と向き合っていくのか。何とも言えない、居心地の悪さを覚えずにいられない。