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 2月を迎えようというこの時期になっても、横浜弁護士会は、まだ、5名定員の次期副会長枠が埋まらない。何とか、4名までは確保できたようだが、あと1人が決まらないのだ。従来は、概ね、前年の11月ころには候補者を絞り込み、年明けくらいから、引継も始められていたことを考えると、実に危機的状況といわざるを得まい。

 背景に、本業の競争が激化していることと、弁護士の急増による弁護士会業務量の増加があると思われることは、以前にも触れた。今回は、横浜の、副会長職の仕事について、簡単に紹介してみたい。

 横浜では、毎週1回、理事者会が開かれ、事務局から上程される様々な案件について、意思決定をしていくことになる。このため、副会長は、少なくとも、週1回は、午後いっぱい、全く本業に手を付けることができず、弁護士会で、会議漬けとなる。

 これとは別に、やはり週1回、日直という制度があって、これも午後いっぱい、弁護士会の理事者室に詰め、ひたすら決済印を押すと共に、しばしば持ち込まれる市民からの苦情に対応したり、来客の応接をしたりといった雑務をこなすことになる。

 当初は、パソコンを持ち込んで、合間に起案でもできるだろうと高をくくっていたのだが、次々に持ち込まれる事務に圧倒され、そうした内職は、早々に諦めざるを得なかった。

 さらに、副会長は、担当する委員会が割り当てられていて、基本的に、委員会の会合が開かれるときは、これに出席する必要がある。私の担当委員会は、9件だった。中には14件という人もいたので、少ない方ではあったが、刑事弁護関係の委員会など、うるさがたが揃っていたので、ずいぶん苦労した記憶がある。

 こうした日常業務の合間を縫って、国会に当たる月1回の常議員会の準備をしたり、日弁連の会合や他会との交流のため、各地に赴いたりと、現実に、多忙を極める日々が続く。私のときは、兼ねて交流のあった韓国の弁護士会に友好訪問をしたこともあって、いつも時間には追い立てられていたような有様で、正直なところ、2度とやりたくないというのが本音になってしまった。

 たまに事務局に話を聞くと、弁護士会の業務は、年ごとに増える一方であり、今から思うと、私が担当していた4年前は、まだ牧歌的な状況だったようだ。また、都心部の弁護士会の業務量など、横浜の比ではないのだろう。逆に、地方の単位会では、1人の弁護士が、何度も副会長を担当せざるを得ないところもあって、それはそれで、大変な負担になっているようだ。

 そうしたことを考えると、この先が思いやられてならない。理事者に余裕がなくなり、活力が失われることは、そのまま、弁護士の発言力、政治力の低下に結びつきかねない。弁護士会の事務が崩壊してしまう前に、手を打つべき問題なのだろう。



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