司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 パワハラについて言えば、法律事務所という職場は、まるで伏魔殿のように思える。

 

 私自身は、ありがたいことに、パワハラとは無縁のイソ弁生活を送らせてもらったし、後輩や事務員へのハラスメントはしていないつもりだが、「あの先生はイソ弁を怒鳴るんだ」とか、「事務員が1年と居つかない」といった噂を耳にすることは多い。

 

 神奈川の法律事務所は、せいぜい20〜30人規模の零細企業で、今だに弁護士1人、事務員1人というところも多い。密室とも言える狭い世界の中で、弁護士の個性によっては、いわば、恐怖支配がまかり通っているような事務所も多いのだろう。

 

  ボス弁が強烈で着いていけない、というケースは昔からあった。私の同期も、1年目、というより、数カ月で事務所を変わった人が随分いた。かつては、無茶なボス弁に当たってしまったら、さっさと辞めて次の事務所を探すということが普通にできていたのだ。

 

  今のご時世ではそうはいかないのだろう。そう思うと、若い方が気の毒でならない。恐怖政治の中に甘んじていなければならない弁護士に、いい仕事ができるとは、とても思えないのだ。最近、ブラック企業の問題を糾弾する弁護団が増えていて、その活動には頭が下がる思いでいたのだが、自分がブラック事務所でひいひい言っている弁護士には、とても、そのような社会問題に取り組む余裕はないだろう。

 

 弁護士がじわじわと余裕を失って行くのにおそらくは比例して、社会的弱者は見捨てられていくしかないのではないか。



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