司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

先に記事にした、横浜弁護士会の「E-comon」(「小規模事業者顧問弁護士紹介制度」)構想が、大変なことになっている。

 一旦は理事者決済で試行が決まっていたはずなのだが、報道を目にした会員からの反対が強く、理事者も強行はできないとみたのか、7月の常議員会で、正式にE-comonの試行が議題になった。しかし、常議員会に先立って、まずメーリングリストが沸騰というか、炎上し、さらには会内の業務改革委員会が反対の意見書を提出するなど、反対論が噴出してしまい、結局、意見が割れた結果、理事者が一旦議案を撤回し、継続審議となった。

 ところが、その後、担当委員会である法律相談センター運営委員会は、この構想を白紙撤回する意向を固めたらしく、その旨の意見書を理事者にあげたというのだが、これがまた物議を醸しており、「この騒ぎの責任の所在を明らかにせよ」というようなメールが飛び交っている状況だ。

 まだ、8月の常議員会で試行が決まる可能性はゼロではないようだが、当面、この波紋は収まりそうにない。7月の常議員会では、理事者側に、法相センターを突き放すような対応が見られたとも聞く。文字どおり、会を二分するようなことにならなければいいと、本気で心配しなければならない事態になりつつあるようだ。

 それにしても、今回の報道騒ぎは、ますます弁護士叩きを助長するような最悪の経過を辿った気がしてならない。実際、7月の常議員会については、またしても大きく報道がなされ、いかにも、守旧派の反対で、市民のための革新的な試みが潰されたかのような取り上げられ方をされてしまっていたので、弁護士会のダメージは大きいといわざるを得ないだろう。

 報道を見て、弁護士会に問い合わせをしてきた人もかなりいるらしく、横浜弁護士会の評判は確実に1ランク下がってしまったと思わざるを得ない。噂だが、報道を見た人の中には、他の弁護士会に電話をかけ、「横浜がこんなことをやっているのに、お宅ではやらないのか。」というようなことを言ってくる人もいたようで、横弁は業界内においても立場を危うくしつつあるのではないか。

 比較的冷静に受け止めている会員も、E-comonには首を傾げる、という人が多いようだ。個々の弁護士が、経営戦略として、地元企業とのお付き合いを重視して顧問料を下げ、むしろその伝手で事件の間口を広げようというのは分かるし、悪いこととは思えない。しかし、それを弁護士会の旗振りでやってしまえば、そちらがスタンダードになってしまうのは目に見えている。3時間の法律相談と契約書のチェックを月5,000円でやっていたら、とても経営上成り立たないと思う人がいても、おかしいとは思えない。

 しかし、今度の騒ぎで、高額の顧問料にしがみつく守旧派弁護士、という新たなレッテル貼りができてしまうようだと、やはり罪なことをしてくれたなあと、恨み言のひとつも言いたくなってくる。



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