司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 私が修習を終えた平成4年当時、一般民事の事務所では、イソ弁の初任給は、平均すると、都内の事務所で、700万円前後というところだったように思う(当時の資料に当たったわけではない。ごく感覚的な印象だ)。

 当時、新任検事の初任給が、手取りで月20数万円、額面で年収約400万円というところだったから、やはり、弁護士はリッチでいいなあ、という思いはあった(もっとも、法務省の官舎は、家賃が3万円くらいだったので、可処分所得に大差はなかったかも知れない。また、弁護士も検事も、新人は、いくら給料をもらっても、使う暇などなかったはずだ)。

 まだ、バブルの残り香があったころで、検事はからっきし人気がなく、花形は渉外事務所で、大手の渉外では初任給が1000万を超えていたらしい。

 現在の横浜で、イソ弁の平均初任給がどのくらいなのか、少なくとも弁護士会が具体的なデータを集計したという話は聞かない。気にはなるので、知り合いの弁護士がイソ弁を採ったと聞くと、給料をどうしているのか、聞いてはみるのだが、さすがに他人の給料の話なので、なかなか、ずばりいくら、とは教えてもらえない。

 それでも、漏れ伝わってくるところから考えると、意外なことだが、今のところ、平均初任給がそう劇的に減ったという状況でもないようで、だいたい5~600万円くらいというのが大勢のようだ。数字だけを公務員やサラリーマンの初任給に比べれば、未だに恵まれた職業であることは確かだろう。

 もっとも、これは、イソ弁に給料を払っている事務所の話で、実際には、横浜でもノキ弁が増えつつあるようだから、きちんとデータを取れば、平均値は相当下がらざるを得ないのだろう。

 就職難から、年収200万でもいいから雇ってほしいという人がいるくらいだ。今後も、恵まれた給与水準が維持され続けるとみるのは、あまりに楽観的にすぎるだろう。

 過払いバブルの崩壊も時間の問題だ。過払い事件がなくなったとき、どこまで初任給が下がるのか、そもそも初任給の相場というものが成り立つ状況にあるのか、想像すると、頭が痛くなる。

 今の時代、昔ながらに、徒弟制度の延長のような形で、高給でイソ弁を雇うというのは、弁護士にとって、なかなか厳しいことになっていると言わざるを得ない。正直なところ、私には、若手弁護士の育成のためにと言われても、もう1人イソ弁を抱える余裕はない。

 今後も、若手弁護士の苦境は続くだろう。しかし、経済的にどんどん梯子が外されていく状況の中で、若手の弁護士が、高い理想を維持しながら技量を磨いていくことができるのだろうか。今まさに暗い淵をのぞき込んでいるような気分で、実に落ち着かない。



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