司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 

 相手側の控訴に対して、私たち家族は心では身構えていたが、では具体的に今、何をすればいいのか、ということでは、正直、戸惑っていた。相手の出方待ちということになるかもしれないが、仮に彼らが控訴した場合に備え、私たちが今、すべきことが何かあるのではないか。一審の結果や相手の対応を総括して、次を読んでおく必要はないのかーー。

 

 こういう時、弁護士がいたらば、彼は何をし、そして、私たちに何をサゼッションするのだろうか、ということが頭を過った。こういうところに、本人訴訟の現実的な悩みがあるのだ、ということを改めて思ったりもした。

 

 私の故郷では、地元有力紙が、私たちの事件について、刑事裁判と異なり、民事裁判は記事として、扱わなかったこともあり、判決も含め、現在の状況は一般には知られていなかったと思う。一審民事で社協側が追い込まれたことを知るのは、町議員をはじめとする役所の方々やと少数町民に限られていたはずだった。

 

 私たちが、相手側の「控訴」についての噂を含めた情報を入手できたソースもまた、この一部の人間たちに限られており、彼らの具体的な動きについても、全くのは不透明だった。
 

 私は、仮に社協が控訴する場合、一審で彼らが民法715条で雇用上の責任を認めている以上、社協が単独で動くことは無理があのではないかとみていた。つまり、控訴は被告(窃盗犯)の不服という形でしかけてくる可能性があると思っていた。だが、地元では、判決後1週間たっても、社協側の具体的な動きについての情報は、何もつかめていなかった。
 

 控訴に関する話を耳にしている町議員からは、「控訴反対」の声を挙げる町議員の存在もあったという話を聞いた。その理由はいくつかあった。一つは一審判決が、既に出されたのに、行政サービスを受ける側の一町民に対して、再び裁判をすることは賛成できないことだった。

 

 次に、高裁までいき、裁判継続となれは、再び、町民の血税が多額の弁護士費用に使われることになる点。そして、さらには、一審で出された金額をひっくり返すことができるのかという疑問。700万円強の額が、半額以下になる判決は想定できないのではないか、という話だった。仮に多少そうした額が低くなっても、追加でかかる弁護士費用、時間を考慮すると失うカネと時間の方が大きいとの見解だった。

 

 そうであれば、犯人が窃盗した金額に関しては、町が責任をもち、被害者遺族を一日も早く、平穏な生活に戻すべきだという、良心的な考えを持っている人がいることを知った。行政のなかに、一筋の光明を見出した気持ちになった。
 
 早速、兄はそんな考えをもつ町議員さんたちと、はらをすえて今後の流れについて話し合いもった。その話の流れにたどり着いたのが、「控訴」阻止ということだった。



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