司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

 2004年の夏も終盤に差し掛かった頃、仕事や例の刑事裁判事件検証、弁護士探しなどで、疲労が出始め、心身ともに参っていた。窃盗の犯人である元ヘルパー女性、社協のあの無責任な幹部連中が、ぬくぬくと過ごしていると思うと、余計に夏の暑さが身に染みていた。

 そんなストレスのためか、飛び込み営業で何度かいったことがあり、話のうまがあうクライアンにまで、つい弁護士が、なかなかみつからない話といった愚痴を口にしてしまっていた。この話を親身に受けとめてくれた彼は、「知り合いに弁護士がいるか探してみる」と言ってくれた。ただ、その言葉は嬉しかったが、これまでのことがあったので、正直、半信半疑だった。

 数日後、その彼から、私の会社あてに連絡があった。私は携帯から彼に連絡をした。彼は、弁護士を紹介できそうな後輩が一人いる、という話だった。「今度会う?」という言葉に、私はすかさず、会いたい旨を伝えた。すると、彼のいる出版事務所で行われる出版記念パーティに彼の後輩も同席するから、来るように誘われた。

 パーティ当日、その方の事務所へ行くと、そこには、多くの出版関係者が集まっていた。ニューヨーク在住していた頃は、パーティのお誘いがある時は、よく顔をだしていたので見ず知らずの人間が集まる宴席にも慣れているつもりだったが、今回ばかりは妙に緊張していた自分がいた。弁護士に最終的にたどりつけるのか、その期待と不安でやはり緊張していた。

 私を誘ってくれた彼が、その後輩を私のもとにつれてきた。彼は、自分は弁護士をだれかから紹介してくれと頼まれたならば、だいたいS先生を紹介する、。とりあえず、先生には一度連絡しておくので、後日連絡とってみてほしい、との話だった。そのとき、その場を弁えて、事件詳細等については彼には話さなかった。

 数日後、その出版社の彼から携帯に連絡がきて、弁護士の連絡先を伝えてきた。私は、すぐに連絡を入れた。私はすぐさま弁護士事務所に連絡を入れた。電話口出てきた、そのS弁護士は、予想以上におとなしい感じだった。今にしてみれば、その時、そう感じたのは、やり手というイメージを持ってしまっていたからかもしれない。紹介者の一押しという言葉に、弁護士になじみのない市民はまず、そんな感じをもってしまうのかもしれない。

 その時は、簡単に紹介されたことと、事務所にうかがいたい旨を伝えると、S弁護士は「はい、どうぞ」と言った。数日後、会うことになり、私は彼の事務所に行った。

 受付の方の案内で、面談室に通された。壁には司法関連の本がずらり並べてあり、イメージ通りの、弁護士の事務所という印象を持った。5分以上、待たされている間、やはり、忙しい方なのかもしれない、などと考えていた。

 「どうも、はじめまして、弁護士のSです」

 入室してきたS弁護士は、やはり柔らかい物腰で、そう切り出した。お互いの名刺交換をし、席につく。見た目は、40代半ばだろうか、清潔感のある、見た目ちょっと「おぼっちゃん風」という感じの人だった。

 私は、一旦、一呼吸置いた。やはり、知らず知らず緊張している。まず、頭の中を過ったのは、弁護士の相談料だった。一般的に、まず、30分5000円が相談料だったよな。完結に分かりやすく話さないと、お金が無駄になる。マシンガンのように話すしかいか――。

 しかし、ここまできたのだから、徹底的に話そうと、腹を据えて、「私の郷里の事件なんですが」と切り出した。すると、彼は開口一番、予想していなかったことを尋ねてきた。

 「なぜ、地元の弁護士をつかわんのですか?」

 言われてみれば、当然の疑問なのかもしれない、と思った。わざわざ東京の弁護士を使わなくても、地元の弁護士で解決するならば、当然、そうするわなと。そのことから、私たち家族が置かれている状況を説明しけばならない。私も心の中で思った。



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