司法ウオッチ<開かれた司法と市民のための言論サイト>

テレビ東京「日経スペシャル ガイアの夜明け」でも取り上げられた介護ヘルパーによる窃盗事件の被害者家族として、刑事裁判と、「本人訴訟」による民事裁判に臨んだ市民の体験記。一市民の目に映った司法の現実とは–。
ニューヨーク州立ラガーディアコミュ二ティーカレッジ卒。コマーシしャルフォト専攻。ニューヨークでは、パンクミュージシャンとして10年間活動。ヨーロッパを中心に、その他各国からCDリリース。そのかたわらに、フォトグラファーとして活動。数多くのアルバムジャケット作成。現在、都内広告代理店勤務。
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 何者かにより、真実が捻じ曲げられ、暴走している。そんな風に強く感じていた私は、一夜かけ、今までの出来事を振り返りながら、町議員さんたちにどのようにしたら、「真相」が伝わるか考えた。仮に、正面きって詳細を話しても、社協の連中らに洗脳されていた場合、何をどう話しても通じないだろうと感じた私は、一度「ガイアの夜明け」をみてもらい、その後、腰を据えて、事件の真相を伝えた方が、スムーズに話を理解してもらえるかもしれないと判断した。

 早速、町議員I氏に連絡し、私は、真相の触りの部分のみ手短に話し、こうお願いした。

 「残念ながら、こちらでは放送されてない番組(「ガイアの夜明け」)を、一度、見てもらえませんか。私がいわんとすることが、ご理解できるかもしれませんので」

 彼の返答は、やや鈍く感じたが、了承してくれた。当然、ためらいもあっただろう。町議会の代表として、訴訟取り下げの方向で話をまとめる予定が、こちらの手中に引き込まれる形になるわけだから。

 姉には状況を説明し、協力を得、彼らを姉の自宅へと招待した。そこを、二人の町議員さんに対する「ガイアの夜明け」上映会の場にしたのだ。現状を打開するきっかけができるかもしれないという期待を胸に、私は、自宅で待った。上映会が終わったくらいの時間を見計らい、姉の自宅へ連絡を入れた。

 一旦深呼吸をし、彼らと本腰を入れて話そうとすると、受話器の向こうから騒がしい声が聞こえてきた。

 「畜生、あの、野郎」

 罵声じみたような声と、テーブルをたたく物騒な音。同時に姉の笑う声。歪な光景が目に浮かんだ。一体、何があったのだろうか。私は、首をかしげながら、電話越しに違和感を覚え、姉に何があったのか尋ねた。すると、姉は、「直接本人(I氏)に聞いてみればといい」と言って、電話をI氏に代わった。

 すると、驚くべき事実が、次々と町議員さんの口から飛び出てきたのだった。「番組はどうでしたか。あれが町の対応ですよ。あの状態では話し合いもできないでしょ」と町議員I氏に切り出すと、彼は、私の耳が痛くなるくらい大声で、二度こう繰り返した。

 「俺たちは、騙されていた」

 電話越しで、別の町議員K氏が怒りを爆発させる声も聞こえてきた。

 「畜生、あのボンクラ町長に踊らされた」

 そして、I氏から出た言葉。

 「申し訳なかった。このような形で、被害にあっているとは、考えてもいなかった。我々は、お宅の親父さんが問題児であるとして聞かされていたため、事実を知らなかった。町会議では、あなたのお父さんに非があるようなことで、報告が上がっていたよ。この番組こそ、真相を語っている」

 彼の話を聞きながらも、もう一つ事実を彼に突き付けた。

 「実は、兄が帰国した際、町長に直談判に行く前、他の町議員N氏にすべて打ち明け真相を伝えてあるのですが、何も聞いてないのですか」

 I氏の答えは、ノ―だった。

 「何も聞いてない。あいつは、町長派だから」

 いい気分にはなれなかった。確か町議員N氏さんの息子が留学しているとき、兄は一度、彼の息子の手助けをしたことあったのを思い出した。胸糞が悪い気持ちにもなったが、そこは押さながえら、彼に言った。

 「派閥により、真実が通らないのですか。冗談じゃない。それは、おかしいですよ」

 I氏も、この歪められた事実を認め、私にこう言った。

 「何か妙におかしい事件だ」

 町議員の言葉を聞きながら、私は、この事件の背景にはやはり何かが隠されているのではないかと勘ぐらざるを得なかった。今回、明らかになったのは、町長をはじめとする、その取り巻きと、社協幹部らの手により、事実は闇に葬られ、「虚構」となって広まりつつあるということだった。

 その後、実態を知った二人の町議員は、町議会で報告されたことは、でたらめの報告内容だったと、町長を捕まえ、虚偽の報告をするな、明らかに悪いのは、町長側だとして、強く抗議をしたとのことだった。しかし、この抗議も残念ながら、虚しいものに終わった。

 その後、聞いた話だが、町長は、I氏に対し、「落ち着きなさい。あなたは、社協役員ですよ。何を言っているのですか」と、いやらしく告げ、この件で騒ぐなと言ったそうだ。それを聞いた私は、I氏に思わず、「何をやっているのですか」と尋ねた。I氏は、「自分の立場は、あて職だった」と、ポツリと言い、こう続けた。

 「でも、どう考えても町が悪いのは明らかだ。今回の件で、議会に嘘の報告を流した町長を許すことができない」

 今回の件では、町議員I氏自身が、真実を知ることで、町長の「マリオネット」だったことに気づき、その後、自分の過ちを償おうとした。まだ、この町にもいる、正義の心をもった町議員と知り合いになったことが、私にとっては、収穫だった。のちに彼は、私たち家族に協力してくれる存在になった。



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